新卒で入った会社を数年で離れようとするとき、探す入口が2つあることに気づきます。
就活のときに使った新卒向けのサービスと、中途採用を扱う転職サービスです。
どちらにも「第二新卒歓迎」と書かれているため、どちらから始めればよいのかが決まりません。
ここでは、両者で対象条件の決まり方が違うことを整理し、判断の基準をまとめます。

第二新卒はどちらの入口にも入りうる

3年以内に離職する人は3割を超える

厚生労働省の調査では、新規学卒者の就職後3年以内離職率は大卒33.8%、高卒37.9%でした(令和4年3月卒)。
業種別では宿泊・飲食サービス業が55.4%と最も高くなっています(出典: 厚生労働省)。

一定の人数が毎年この立場に入るため、企業側もサービス側も、この層に向けた窓口を用意しています。
新卒枠と中途枠のどちらからも募集があるという状態が、入口を選びにくくしている原因です。
周囲からどう見られるかという論点は第二新卒は「やばい」と言われる?で扱っているため、ここでは触れません。

動く理由は年収だけに寄っていない

株式会社学情の調査(n=315、2024年8月実施)では、社会人経験3年未満の層の転職理由は「もっとやりがい・達成感のある仕事がしたい」35.0%が最多で、「給与・年収をアップさせたい」32.9%、「より会社の風土や考え方が合う企業で働きたい」30.0%が続きます。
社会人経験3年以上の層では「給与・年収をアップさせたい」が50.8%で最多でした(出典: 株式会社学情)。

第二新卒の段階では、上位3つが近い水準で並んでいます。
仕事の内容・待遇・組織との相性のどれか1つに絞れていない人が多いということです。
求人票の条件を比べるだけでは決まらない部分があるため、どちらの入口を使うかを考える前に、自分の理由がどこに近いかを先に置いておくと判断が速くなります。

職場を変える話か、職種を変える話かを分ける

入口を選ぶ前に、もう1つ分けておく点があります。
動きたい理由が職場の側にあるのか、仕事の中身にあるのかです。

職場の側であれば、同じ職種で別の会社を見る形になります。
この場合、いまの在籍期間の短さは説明できれば足ります。
仕事の中身であれば、職種そのものを変える話になり、対象になる求人もサービスも入れ替わります。
どちらなのかで、探す範囲が変わります。
未経験の職種へ移る場合の見方は未経験・異業種への転職は何歳まで現実的かにまとめています。

2つのサービス群は対象の決め方が違う

新卒就活側は卒業年次で線が引かれる

新卒向けのサービスは、対象となる卒業年次が明記されているものが多くあります。
当サイトのデータでは、就活会議が2026年卒から2029年卒までを対象としており、区分は登録型で対応地域は全国です。
Matcherも登録型・全国対応ですが、対象は学生に限られています。

つまり、この入口で見られているのは年齢ではなく**いつ卒業するか(したか)**です。
年次から外れれば、内容を作り込んでも利用の対象になりません。
卒業年次と時期の関係は就活・転職はいつ動けばよいかで整理しています。

総合転職側は年齢と就業の状況で線が引かれる

一方、中途採用側のサービスは卒業年次を条件にしません。
当サイトのデータでは、第二新卒の転職支援を掲げる「20代の転職相談所」が登録型・全国対応で掲載されており、満22〜29歳で正社員としての就業経験がある人という条件が示されています。

学校をいつ出たかではなく、いま何歳で、どう働いているかが判断の材料になります。
同じ人物でも、新卒側では年次で外れ、中途側では条件に入るということが起こります。

同じ名前でも入口が2つあることがある

見落としやすいのがこの点です。
20代の転職相談所には、会員登録から始まる登録型のラインとは別に、面談の予約から始まる面談実施型のラインもあります。
同じ名前でも、進み方は同じではありません。

サービス名だけでは、面談が前提かどうかは決まりません。
登録画面に「会員登録」と書かれているか「面談・相談の予約」と書かれているかを見て判断します。
この違いは登録型と面談型の転職サービス、どちらを選ぶ?にまとめています。

「第二新卒歓迎」は応募要件そのものではない

求人票の「第二新卒歓迎」は、応募してほしい層を示す表現であって、応募要件の欄とは別のものです。
歓迎と書かれていても、必須要件に「実務経験3年以上」と入っていればそちらが優先されます。

読む順番は、歓迎の文言ではなく必須要件からです。
必須と歓迎のどちらに何が書かれているかを分けて見ると、実際に応募できる求人の数が変わります。
歓迎の欄は、満たしていなくても応募できる項目です。
求人票のどこを見るかは求人票のどこを読むかにまとめています。

どちらを使うかを決める3つの問い

在学中か、卒業しているか

在学中であれば新卒向けサービスの対象に入りますが、卒業していると年次の条件で外れることがあります。
ただし、卒業後も一定期間を対象に含めているサービスもあるため、名称だけで判断せず対象欄を読みます。

反対に、中途側のサービスは在学中の学生を対象にしていないことがあります。
どちらも「対象欄を読む」で解決する問題であり、迷って止まるほどのことではありません。

正社員としての就業経験があるか

第二新卒向けの中途サービスでは、正社員としての就業経験が条件に入ることがあります。
前述の20代の転職相談所は、満22〜29歳という年齢に加えてこの点が示されています。

在職期間が短くても、正社員として働いた経験があれば中途側の対象に入ります。
逆に、卒業後に就業していない場合は、既卒を対象にしている新卒側のサービスのほうが条件に合うことがあります。

契約社員や派遣として働いていた場合は、正社員の経験を条件にしているサービスでは対象から外れることがあります。
ただし雇用形態を問わないサービスもあるため、対象欄の書き方を1件ずつ読みます。
正社員以外での働き方は正社員以外(契約・派遣)で探す選択肢で扱っています。

新卒枠に戻るのか、経験を材料にするのか

新卒枠では、応募者が同じ条件で横並びに比較されます。
実務経験の有無が前提に入らないぶん、学生時代の内容が中心の材料になります。

中途枠では、期間が短くても実務の話ができるかが問われます。
何を任され、何を判断したかを説明できる状態であれば、経験年数の短さは会話の材料にできます。
同じ人でも、どちらの枠で見られるかで準備するものが変わります。

在籍が1年に満たない場合でも、書ける材料はあります。
担当した業務の範囲、覚えた手順、扱った件数や金額。
日々の作業として流していたことを、業務として言葉に直す工程が必要になります。
書き出す順序は職務経歴書はいつ作ればよいかにまとめています。

両方を見る場合の順序

対象条件で候補を落としてから比較する

まず、卒業年次・年齢・就業経験の3つで、自分が対象に入るサービスだけを残します。
この作業は各サービスのサイトを開けば数分で終わります。
比較を先に始めると、対象外のサービスまで並べることになり、判断が長引きます。

対象条件は更新されることがあるため、登録の直前に最新の記載を確認します。
新卒側の全体像は新卒・第二新卒の就活市場はいま?にまとめています。

登録型で相場を見てから面談型を足す

残った候補のうち、まず登録型から使います。
会員登録の時点で求人や条件を見られるため、いまの自分がどの範囲の募集に当てはまるかを自分で確認できます。

読むのは10件ほどで足ります。
必須要件に何が並ぶか、経験年数の指定があるか、第二新卒の記載がどこの欄にあるか。
この3点を見ていくと、応募できる求人と、いまは届かない求人の線が見えてきます。

そのうえで、説明しにくい部分が残ったときに面談型を足します。
短い在籍期間をどう説明するか、前職の何を次につなげるかは、書面だけで整理しにくい部分です。
在職しながら進める場合の時間の作り方は在職中の転職活動はどう進める?で扱っています。

期間の見通しを先に置く

厚生労働省の「令和2年転職者実態調査」では、転職活動期間は「1〜3ヶ月」が最多で、62.8%が6ヶ月未満で完了しています(出典: Kotora)。
この分布を知らないまま始めると、2ヶ月決まらないだけで入口の選び方を疑い始めます。

入口を途中で変えることは可能です。
ただし、新卒側と中途側を同時に全力で進めると、作る書類も準備する話も二重になります。
まず片方に寄せて、進みが止まった段階でもう一方を足すほうが、1回あたりの準備が仕上がります。

在籍期間の短さは選考で触れられる論点になる

前の会社を離れる理由と、次で何をしたいか。
この2つは、どちらの枠で受けても聞かれます。
第二新卒では在籍期間が短いぶん、質問がここに集まりやすくなります。

前の会社の問題を並べる説明は、次でも同じことが起きるのではないかという疑問を残します。
何があったかを短く述べ、そこから何を条件として持つようになったかへ話をつなげます。
答え方の型は転職面接の準備にまとめています。

新卒枠で受け直す場合も、離職の経緯は同じように聞かれます。
枠が変わっても、この論点だけは残ります。

選考が進んだ先で比べる項目を決めておく

入口を選ぶ段階では、どちらが正しかったかは分かりません。
応募し、選考が進み、条件が提示されて初めて比べられます。
入口の選択を完璧にしようとするほど、動き出しが遅れます。

複数の内定が出た場合に何で比べるかは、あらかじめ項目を決めておくと迷いません。
比べ方は複数の内定が出たときの比較軸にまとめています。
提示された条件は入社前に書面で確認できます(労働条件通知書の確認ポイント)。

まとめ

  • 大卒の**就職後3年以内離職率は33.8%**で、第二新卒は新卒枠と中途枠の両方から募集がある
  • 新卒就活サービスは卒業年次、総合転職サービスは年齢と就業の状況で対象が決まる
  • 当サイトのデータでは、20代の転職相談所が満22〜29歳・正社員としての就業経験ありを条件に示している
  • 同じ名前でも登録型と面談実施型の2つの入口があることがあるため、登録画面の文言で判断する
  • 求人票の「第二新卒歓迎」は歓迎の欄であり、応募できるかどうかは必須要件の欄で決まる
  • 卒業年次・年齢・就業経験の3つで候補を落としてから、登録型で相場を見て面談型を足す