転職活動というと正社員への転職を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、契約社員や派遣という働き方も現実的な選択肢です。
育児や介護と両立したい、まずは職場の雰囲気を確かめてから長く働くか判断したいといった事情がある場合、正社員以外の雇用形態はむしろ合理的な選択になります。
「正社員でなければ転職とはいえない」と考えて選択肢を狭めてしまうと、自分の状況に合った働き方を見逃すことにもなりかねません。
ここでは、正社員以外の働き方を扱うサービスの実際と、選ぶ際の考え方を整理します。
複合的な雇用形態を扱うサービスがある
正社員・契約・派遣を横断して扱うサービス
総合転職サービスの中には、正社員だけでなく契約社員・派遣といった複数の雇用形態をまとめて扱っているものがあります。
求人検索の段階で雇用形態を絞り込める仕組みになっていることが多く、「正社員にはこだわらないが、契約や派遣は検討したい」という場合に、1つのサービスの中で幅広く候補を見比べられます。
こうした複合型のサービスでは、同じ職種・同じ勤務先でも正社員募集と契約社員募集が並行して出ていることがあります。
雇用形態を限定せずに検索すると、同じ職種の求人でも待遇の違いが一覧で見えるため、正社員にこだわるべきかどうかを判断する材料にもなります。
雇用形態ごとに専門特化したサービスもある
一方で、派遣に特化したサービスや、契約社員の求人を専門に扱うサービスも存在します。
専門特化したサービスは、その雇用形態に関する条件面のノウハウが蓄積されている分、正社員向けサービスの片手間で派遣求人を探すよりも、詳しい情報を得やすい面があります。
複合型と専門特化型のどちらを使うかは、雇用形態への希望がどの程度固まっているかによって変わります。
派遣特化のサービスは、就業条件明示書の見方や、派遣会社を通じた有給休暇の取得方法など、派遣という働き方特有の実務知識を案内してくれることがあります。
初めて派遣で働く場合は、こうした専門特化のサービスを併用しておくと、待遇面での見落としを防ぎやすくなります。
正社員以外の働き方の実際
待遇面では正社員に劣る点がある
契約社員・派遣は、賞与や退職金といった正社員特有の待遇が無いことが一般的です。
昇給・昇格の仕組みも正社員とは別に設定されていることが多く、長期的な収入の伸びという点では正社員に劣る場合があります。
転職先を検討する際は、月々の給与だけでなく、賞与や福利厚生を含めた年収ベースで比較することが欠かせません。
社会保険についても確認しておくべき点があります。
一定の勤務時間・勤務日数を満たせば契約社員・派遣でも社会保険に加入できますが、加入条件は勤務先や契約内容によって異なります。
求人票に社会保険完備と書かれていても、自分の希望する勤務日数でその条件を満たせるかどうかは、別途確認しておく必要があります。
働き方の柔軟性という利点がある
一方で、契約社員や派遣は、勤務日数や勤務時間、勤務地をある程度自分で選びやすいという利点があります。
フルタイムでの正社員勤務が難しい事情がある場合、この柔軟性は正社員では得にくい価値です。
また、派遣であれば同じ勤務先で契約を更新しながら長く働き続けることもでき、必ずしも「不安定な働き方」とは限りません。
育児や介護と両立しながら働きたい場合、正社員では時短勤務の制度があっても運用面で使いにくいことがありますが、契約社員・派遣は求人の段階で勤務時間の希望を伝えやすく、自分の生活リズムに合った働き方を選びやすいという声もあります。
契約更新の条件は事前に確認する
契約社員・派遣で働く場合、契約更新の可否や更新時の条件は事前にしっかり確認しておく必要があります。
更新の判断基準が曖昧なまま働き始めると、契約終了のタイミングで次の転職活動を急に迫られることになりかねません。
求人票に更新実績や更新の判断基準が記載されているか、面談や登録の段階で確認しておくと安心です。
派遣の場合は、同一の派遣先で働ける期間に上限が設けられていることが一般的です。
上限に達した後は、派遣先を変えるか、直接雇用への切り替えを検討することになります。
この仕組みをあらかじめ理解しておくと、契約終了を「打ち切られた」と捉えるのではなく、想定の範囲内の出来事として受け止められます。
正社員化を目指す場合の選択肢
紹介予定派遣という仕組み
将来的に正社員として働くことを見据えている場合、紹介予定派遣という仕組みが選択肢になります。
これは一定期間(一般的に最長6ヶ月)を派遣として働いた後、双方の合意があれば正社員として直接雇用に切り替わる仕組みです。
いきなり正社員として入社するより先に、実際の職場や業務内容を確認したうえで正社員化を判断できるという利点があります。
企業側にとっても、実際に一緒に働いた実績をもとに採用を判断できるため、書類選考や面接だけでは見えにくい相性の部分まで確認したうえで直接雇用に踏み切れるという利点があります。
求職者・企業の双方にとってミスマッチのリスクを抑えられる仕組みだといえます。
派遣先での評価が直接雇用につながる
紹介予定派遣に限らず、一般の派遣であっても、派遣先の企業で高い評価を得た結果、直接雇用の声がかかるケースもあります。
正社員という働き方にこだわらず、まず契約・派遣という形で職場に入り、実績を積みながら正社員化の機会をうかがうという進め方も、選択肢の一つとして持っておく価値があります。
ただし、直接雇用への切り替えは派遣先の企業の採用状況にも左右されるため、必ず正社員になれると期待しすぎるのは禁物です。
あくまで選択肢の一つとして捉え、正社員化が実現しなかった場合の次の動き方も並行して考えておくと、契約終了時にあわてずに済みます。
サービスを選ぶ際の考え方
希望する雇用形態を先に整理する
正社員・契約社員・派遣のどれを希望するか、あるいはこだわらないかを登録前に整理しておくと、複合型のサービスを使う場合でも検索の絞り込みがしやすくなります。
「正社員が理想だが契約・派遣も検討する」というように優先順位をつけておくと、紹介される求人の幅と自分の希望のバランスを取りやすくなります。
複数のサービスを比較する
複合型のサービスと専門特化型のサービスを両方登録しておくと、それぞれから紹介される求人の傾向を比較でき、自分の希望する雇用形態でどの程度の求人が出ているかを把握しやすくなります。
未経験・異業種への転職を検討している場合は、未経験・異業種への転職は何歳まで現実的かも参考にしてください。
まとめ
- 総合転職サービスには、正社員に限らず契約・派遣を含む複合的な雇用形態を扱うものがある
- 正社員以外の働き方は、待遇面では正社員に劣る一方、勤務条件の柔軟性という利点がある
- 契約更新の可否・条件は、働き始める前に確認しておくことが欠かせない
- 正社員化を目指す場合は、紹介予定派遣という仕組みも選択肢になる



