登録して面談まで進んだのに、「現在ご紹介できる求人がありません」と言われることがあります。
書類も見せて、希望も伝えたうえでの返答なので、自分の経歴が市場で通用しないと言われたように受け取ってしまいます。

この言葉が指している状態は1つではありません。
原因によって次にやることが変わるため、先に切り分けます。
担当者との相性が問題である場合の手順は転職エージェントの担当者が合わないときの手順と伝え方にまとめており、この記事は紹介そのものが発生していない状態を扱います。

「求人がない」は4つの状態のどれか

まず分類する

同じ返答でも、背景にある状態は分かれます。
どれに当たるかで、動かす対象が変わります。

状態 何が起きているか 動かせるもの
対象条件から外れている 年齢・地域・資格・雇用形態がサービスの範囲外 サービスを変える
希望条件が市場に対して狭い 条件の組み合わせに該当する求人が存在しない 条件の優先順位
経歴と求人が対応していない 求人の求める経験と、書いた経歴が噛み合っていない 書き方と応募先の職種
いま手元に出ていないだけ 時期や欠員の発生状況による 待つ、または他の経路を足す

対象条件から外れている場合

サービスには、対応地域、対象年齢、扱う雇用形態、必要な資格といった入口の条件があります。
ここから外れていると、経歴の内容にかかわらず紹介できる求人がありません。

これは選考の結果ではありません。
入口で決まっている部分であり、経歴の評価とは無関係です。
地域の条件は転職サービスは地方でも使える?で扱っています。
条件は登録の前に公式サイトで読めることが多く、確認だけで済む項目です。

希望条件が市場に対して狭い場合

対象に入っていても、希望した条件の組み合わせに該当する求人が無いことがあります。
勤務地を1つの市に限定し、年収の下限を設け、業務の範囲も指定すると、条件を3つ重ねた時点で該当が消えることがあります。

この場合、条件を1つずつ外すと候補が現れます。
どれを外すかは自分にしか決められないため、優先順位を先に付けます。
年収の決まり方は転職で年収は上がる?で扱っています。

経歴と求人が対応していない場合

書いた経歴が、求人の求める経験と噛み合っていないことがあります。
実際には経験しているのに、表現が求人票の言葉と違うために対応が取れていない、というケースも含まれます。

社内でしか通じない呼び方、独自の職位の名称、担当した業務の粒度。
ここが揃っていないと、担当者の側で該当が見つかりません。
書き出す手順は職務経歴書はいつ作ればよいかにまとめています。

いま手元に出ていないだけの場合

求人は欠員や増員が発生した時点で出るため、時期によって波があります。
面談した週にたまたま該当が無いということは起こります。

この状態であれば、条件を変える必要はありません。
該当が出たときに連絡をもらえるかどうかを確認するのが対応になります。
時期による求人数の動きは転職に適した時期はある?で扱っています。

担当者に投げる質問

「条件のどれを緩めると候補が出ますか」

最も直接的に状態が分かる質問です。
「勤務地を隣接する市まで広げたら候補は出ますか」「年収の下限を◯◯万円にしたら何件くらいになりますか」という形で、動かす項目を1つずつ挙げます。

答えが返ってくれば、原因は希望条件の狭さにあります。
どの条件を動かしても変わらないという答えであれば、原因は別の場所にあります。

「私の経歴で通りやすいのはどの職種ですか」

経歴と求人の対応がずれている場合、この質問で分かります。
自分が想定していた職種と違う答えが返ってきたら、応募先の職種そのものを見直す材料になります。

担当者は日常的に求人と経歴を突き合わせているため、こちらが気づいていない職種名が出てくることがあります。
出てきた職種で求人票を数件読むと、自分の経験がどう呼ばれているかが分かります。

「求人が出たら連絡をもらえますか」

時期の問題であれば、この確認で済みます。
あわせて、どの条件で登録が残るのか、連絡はどの手段で来るのかを聞いておきます。

サービスによっては、一定期間やり取りが無いと登録が休止扱いになることがあります。
扱いを確認しておくと、待っているつもりが対象から外れていた、という事態を避けられます。

口頭ではなく文章で送る

面談の場で口頭に伝えた条件は、記録の中で優先順位が付け替えられていることがあります。
必須の条件と譲れる条件を分けた箇条書きにして、メールで送り直します。

「必須:勤務地は◯◯市内、年間休日120日以上。歓迎:年収◯◯万円以上」という粒度で足ります。
文章にしておくと記録に残り、担当者が代わっても引き継がれます。

自分の側で動かせるもの

条件に優先順位を付け直す

条件を並べただけの状態では、何を先に外すかが決まりません。
勤務地・年収・業務内容・休日・雇用形態のうち、譲れないものを1つだけ決めて、残りは幅を持たせます。

1つに絞れない場合は、それぞれの条件を外したときに何が困るのかを書き出します。
通勤時間が延びると何が起きるか、年収が下がると生活のどこに影響するか。
書き出すと、外せる条件と外せない条件が分かれます。
判断の軸の作り方は転職の軸はどう決める?にまとめています。

自分で求人を数えて相場を確認する

会員登録の時点で求人を検索できる形式のサービスであれば、自分の条件で何件出るかを自分で数えられます。
数えた結果が0件に近ければ、条件の組み合わせに問題があると分かります。

担当者の言葉だけを根拠にすると、それがそのサービスの範囲の話なのか市場全体の話なのかを区別できません。
形式の違いは登録型と面談型の転職サービス、どちらを選ぶ?で扱っています。

経歴の書き方を求人票に合わせる

応募したい職種の求人票を数件開き、「求める経験」の欄に並ぶ言葉を書き出します。
その言葉で自分の経験を書き直すと、対応が取れるようになります。

このとき、経験していないことを書く必要はありません。
同じ経験を、探されている言葉で書くという作業です。
粒度を合わせるだけで、該当する求人が現れることがあります。

断られた後にやりがちなこと

条件を一度に全部外してしまう

紹介が出なかったことに驚いて、勤務地も年収も業務内容もすべて緩めてしまうことがあります。
候補は増えますが、今度は自分に合わない求人が大量に届きます。

外すのは1つずつです。
1つ外して候補が出れば、原因がその条件にあったと分かります。
どの条件が効いていたのかが分かる形で動かすほうが、次の判断に使えます。

登録するサービスを一度に増やす

不安から5社6社と登録すると、連絡の管理だけで在職中の時間が埋まります。
同じ性質のサービスが並んだ場合、届く求人も重複します。

足すのは1社ずつで足ります。
足した結果、紹介される求人の傾向が前と変わるかどうかを見ます。
変わらなければ、原因はサービスの側ではなく条件や経歴の側にあります。

経歴を実際より大きく書いてしまう

紹介を受けたい気持ちから、担当していない範囲まで書き足してしまうことがあります。
書いた内容は面談や面接でそのまま質問の材料になります。

説明できない記述があると、その場で答えられません。
基準は、聞かれたときに具体的に説明できるかどうかです。
足すべきなのは中身ではなく、書き方の粒度です。

活動そのものを止めてしまう

1社で紹介が出なかったことを、市場全体の評価として受け取って手を止めるケースがあります。
これが最も戻りにくい選択になります。

サービスの範囲は会社ごとに違い、求人の在庫は時期で動きます。
1回の返答で決まる話ではありません。
動き続けるのが難しいと感じる段階での進め方は転職するか迷っている段階では何をする?にまとめています。

別のサービスを足すかどうか

範囲の問題なら足すのが早い

そのサービスの扱う求人に希望が入っていない場合、同じサービスの中で待っても状況は変わりません。
範囲の違うサービスを足すほうが早く進みます。

同じ性質のものを並べても得られる情報は増えません。
専門領域に絞ったものと幅の広いものを1つずつ、といった組み合わせにします。
社数の目安は転職エージェントは何社まで併用してよいかにまとめています。

民間以外の経路も並べる

民間のサービスは、取引のある企業の求人を扱います。
掲載の費用をかけずに採用している企業の募集は、ここには出てきません。

公共の窓口や企業の採用ページを併せて見ると、範囲が変わります。
制度上の違いはハローワークと民間の転職サービスは何が違うかで扱っています。

断られたことを評価と受け取らない

紹介が発生しなかった理由の多くは、入口の条件か求人の在庫にあります。
経歴の評価が下されたわけではありません。

自分の経歴がどう扱われているかを確かめたい場合は、経歴を登録して連絡を待つ形式を並行して使う方法があります。
届いた連絡の職種と条件が、いまの市場での見え方に近い情報になります。
仕組みはスカウト型の転職サービスとは?、確かめ方は自分の市場価値はどう調べる?にまとめています。

まとめ

  • 「紹介できる求人がない」は、対象条件・希望条件の広さ・経歴との対応・時期の4つに分かれる
  • 対象条件から外れている場合は入口の問題で、経歴の評価とは関係がない
  • 担当者には「どの条件を緩めると候補が出ますか」と聞くと、状態が判別できる
  • 伝えた条件は必須と歓迎に分けて文章で送り直す。
    記録に残り引き継がれる
  • 自分で求人を検索できる形式で件数を数えると、範囲の問題かどうかが分かる
  • 経歴は、求人票の「求める経験」に並ぶ言葉に合わせて書き直す
  • 範囲の問題であれば、性質の違うサービスや民間以外の経路を足す