医療の現場で働きたいが、看護師の資格は持っていない。
この状態で求人を探し始めると、「看護助手」「看護補助者」といった募集が目に入ります。
名称に「看護」が入っているため看護師の一種のように見えますが、別の職種です。
ここでは、看護助手と看護師が何によって分かれているのか、無資格の状態で何を確認すればよいのか、そして使えるサービスがどう違うのかを整理します。
看護助手と看護師は別の職種
資格の位置づけが違う
看護師と准看護師は、保健師助産師看護師法に基づく免許を持つ人が名乗れる職種です。
免許を取得するには養成課程を修めて試験に合格する必要があり、免許がなければその名称を用いて業務にあたることはできません。
一方、看護助手として働くために必須と定められた資格はありません。
そのため、無資格・未経験の状態でも応募できる求人が出ます。
この違いが、両者を分ける最も大きな点です。
看護助手として経験を積んでも、それが自動的に看護師の資格につながるわけではありません。
担う業務の範囲が違う
看護師が担う業務には、療養上の世話と診療の補助が含まれます。
これらは資格に紐づいて定められている範囲です。
看護助手が担うのは、こうした業務の周辺にあたる作業が中心になります。
具体的にどこまでを任されるかは、施設と募集の内容によって変わります。
環境整備、物品の準備や補充、シーツ交換、患者の移動の付き添い、備品の搬送といった業務が募集要項に並ぶことが多くなります。
制度上の位置づけと、その施設で実際に任される範囲は別のものとして確認する必要があります。
判断の材料になるのは一般論ではなく、募集要項の業務内容欄の記載です。
範囲について正確な内容を知りたい場合は、厚生労働省の案内や応募先の医療機関に確認してください。
施設によって呼び方が違う
同じ仕事が、施設によって別の名称で募集されていることがあります。
看護助手のほか、看護補助者、ナースエイド、メディカルアシスタント、病棟クラークといった呼び方が使われます。
このうち病棟クラークのように、事務作業が中心となる職種として区別されている場合もあります。
名称だけで判断せず、業務内容の記載まで読んで区別します。
求人検索でも、名称を1つに固定すると候補を取りこぼします。
複数の名称で検索するほうが、実態に近い件数が見えます。
無資格から入る場合に確認すること
「無資格可」と「未経験可」を分けて読む
求人票の「無資格可」と「未経験可」は、意味が違います。
無資格可は資格を持っていなくても応募できるという意味で、未経験可は医療現場での実務経験がなくても応募できるという意味です。
介護職の経験はあるが医療機関で働くのは初めて、という場合は後者に当てはまります。
両方が書かれている求人でも、入職後に研修や資格の取得を求められる場合があります。
費用を施設が負担するのか、研修の時間が勤務として扱われるのかは求人票から読み取れないことが多く、応募前の質問項目として控えておく価値があります。
夜勤とシフトの扱いを確認する
看護助手の募集は、勤務先が入院設備を持つ病院か、外来のみのクリニックかで勤務の形が変わります。
病棟の業務が含まれる場合、夜勤や早出・遅番のシフトが組まれることがあります。
夜勤の有無は募集要項に書かれていることが多い項目ですが、回数までは書かれていないことがあります。
生活の都合と合わせる必要がある場合は、回数と時間帯を確認する項目として残しておきます。
未経験で入る場合の負担の出方
医療機関の現場は、看護師・医師・事務職・委託業者など複数の職種が同時に動いています。
無資格・未経験で入る場合、業務そのものより、誰に何を確認すればよいかを覚える段階で負担が出やすくなります。
そのため、入職後の教育体制が募集要項に書かれているかどうかは確認しておく項目です。
書かれていない場合は、面接や見学の場で質問する内容として控えます。
記載の有無自体が、その施設の受け入れ方針を示す情報になります。
応募書類では前職の経験を業務に結び付ける
無資格・未経験で応募する場合、書類に書けることが少ないと感じやすくなります。
ただし、募集要項に並ぶ業務は、物品や環境を整える作業、人の移動の付き添い、他の職種との連絡が中心です。
前職が接客でも事務でも製造でも、これらに対応する経験は残っていることが多くあります。
書き方としては、前職の職種名をそのまま並べるのではなく、募集要項の業務内容欄に出てくる言葉に合わせて並べ替えるほうが読み手に伝わります。
どちらの書類に何を書くかは履歴書と職務経歴書の違いとは?、経歴の整理の順番は職務経歴書はいつ作ればよいかにまとめています。
資格を取るという選択肢
看護助手向けの研修や認定がある
看護助手として働くにあたって必須の資格はありませんが、業務に関連する民間の研修や認定は存在します。
取得が採用の条件になることは多くありませんが、募集要項で「資格保有者優遇」と記載されることはあります。
取得を検討する場合、まず希望する地域の求人を並べて、資格名が要件欄にどれくらい登場するかを数えるほうが判断は早くなります。
要件に一度も出てこない資格を先に取っても、応募できる求人の数は変わりません。
看護師・准看護師を目指す経路は別に用意されている
看護助手として働きながら、准看護師や看護師の資格取得を目指すという進み方もあります。
ただしこれは、看護助手の延長ではなく、養成課程に入り直す経路です。
学校の種類や在学期間、受験資格の条件は制度で定められているため、都道府県や各養成施設の案内で確認してください。
働きながら通える課程があるかどうか、勤務先に修学の支援制度があるかどうかは、勤務先を選ぶ段階の判断材料になります。
資格取得を前提にするなら、この点を求人選びの条件に含めておくほうが後の負担が減ります。
順序を先に決めておく
資格を取ってから応募するのか、無資格可の求人に応募して働きながら考えるのかは、先に決めておく価値があります。
決めないまま両方を並行させると、どちらも進まないという状態になりやすくなります。
判断の材料になるのは、希望する地域で無資格可の募集が実際にどれだけあるかです。
募集が一定数あるなら働きながら進める選択肢が成り立ちますし、ほとんど見つからないのであれば、勤務地の範囲を広げるか経路を変えるかという判断になります。
サービスの側は対象で分かれている
看護助手に特化したサービスがある
当サイトのデータには、看護助手ラボ転職という看護助手向けのサービスが掲載されています。
対応地域は全国で、正社員の求人を対象としており、転職相談の申し込みから始まる形です。
当サイトのデータでは、進み方の分類までは確認できていません。
看護師向けのサービスとは対象が違うため、看護助手として探すのであればこちらが候補になります。
実際の利用の流れや対象条件は、サービスのサイトで確認してください。
看護師向けサービスの多くは資格の保有が条件
当サイトが扱う看護師向けサービスの利用条件を見ると、対象者が資格で定義されているものが複数あります。
レバウェル看護は正看護師・准看護師・保健師・助産師のいずれかの資格保有者を対象とし、ナース専科 転職は看護師または准看護師の資格保有者を対象としています。
MCナースネットは面談実施型で全国が対象ですが、こちらも看護師・准看護師・保健師・助産師の資格保有者が対象です。
ナースJJは登録型で、正看護師・准看護師・助産師・保健師の資格を持つ人が対象とされています。
進み方の分類が登録型でも面談実施型でも、資格の条件は同じように置かれています。
サービスの型と対象条件は別の軸だということです。
つまり、看護助手として働くことを考えている段階では、これらのサービスは候補から外れます。
条件が設定されているのは、扱っている求人の要件がそうなっているためであり、サービスの良し悪しの問題ではありません。
いま対象外であることは、今後も使えないことを意味しません。
資格を取得した段階で候補に戻せます。
派遣を含む形でも資格が対象条件になっている
正社員以外で探せば条件が緩くなるのではないか、と考えることがあります。
ただし当サイトのデータでは、レバウェル看護 派遣も正看護師・准看護師・保健師・助産師のいずれかの資格保有者を対象としています。
雇用形態に派遣を含む形になっても、対象を定めているのは資格のほうだという例です。
そのため、看護助手として探す場合に雇用形態を広げても、看護師向けサービスの対象に入るわけではありません。
看護師向けの雇用形態の内訳は看護師の求人はすべて正社員?で扱っています。
公的な窓口と直接応募も併用できる
民間のサービスだけが経路ではありません。
ハローワークには医療機関の看護助手の求人が出ていますし、医療機関が自院の採用ページで直接募集していることもあります。
とくに地域の中小規模の病院やクリニックでは、直接応募の比重が大きい場合があります。
地域を絞って探す場合の考え方は看護師は地方でも転職サービスを使える?にまとめています。
看護助手の求人でも、地域による求人の出方の差という点では同じ構造です。
応募する前にやっておくこと
求人を10件並べて要件を数える
応募より先に、希望する地域で看護助手の求人を10件ほど集めて、要件欄と業務内容欄を書き出します。
無資格可が何件あるか、夜勤ありが何件あるか、業務範囲の書き方がどう違うかを数えると、自分が応募できる範囲が具体的に見えます。
この数字は、どこかの記事に書かれた一般論より自分にとって正確な材料になります。
進め方は転職するか迷っている段階では何をする?にまとめています。
勤務先の種類まで含めて希望を整理する
看護助手が働く場は、急性期の病院、療養病床を持つ病院、クリニック、介護老人保健施設など幅があります。
一日の動き方も、求められる体力も同じではありません。
種類を切り替えて求人を並べると、同じ地域でも条件の分布が変わることが分かります。
勤務先の種類による違いの考え方はクリニック・訪問看護への転職で気をつけることが参考になります。
看護師向けの内容ですが、勤務先の規模と業務範囲の関係という点は共通します。
条件は最後に書面で突き合わせる
求人票で見た条件と、実際に示される労働条件が同じとは限りません。
看護助手の募集では、夜勤の有無、シフトの組み方、休日の数え方といった項目が、応募の段階では幅を持って書かれていることがあります。
内定が出たあとに示される書面には、こうした条件が具体的な形で記載されます。
求人票のどの欄に何が書かれるかは求人票のどこを読むか、書面と求人票の記載がずれていた場合の進め方は労働条件通知書の確認ポイントにまとめています。
確認する順番は、求人票、面接での質問、書面の3段階です。
まとめ
- 看護師・准看護師は法に基づく免許が必要な職種で、看護助手には必須と定められた資格がない
- 看護助手として経験を積んでも、それが自動的に看護師の資格につながるわけではない
- 看護助手・看護補助者・ナースエイドなど呼び方が施設によって違うため、複数の名称で検索する
- 「無資格可」と「未経験可」は意味が違うため、求人票で分けて読む
- 看護助手に特化したサービスがあり、全国対応で正社員の求人を対象としている
- 看護師向けサービスの多くは資格の保有が対象条件で、看護助手の段階では候補から外れる
- 登録型でも面談実施型でも、また派遣を含む雇用形態でも、資格を対象条件にしている例がある
- 条件は求人票、面接での質問、内定後の書面という3段階で突き合わせる



