コンサルティングファームの選考では、ケース面接に注目が集まりがちです。
ただし選考の中で時間が割かれるのは、ケース以外の場面でもあります。
志望動機の確認、これまでのプロジェクトの深掘り、働き方の擦り合わせは、別の準備が要ります。

この記事は、ケース面接ではない場面で口頭で聞かれることを扱います。
ケース面接を含む選考全体の進め方はコンサル転職の選考対策、書類に書く志望動機の組み立て方はコンサルの志望動機はどう書く?にまとめており、この記事はその間を埋めます。
職種を問わない面接の型は転職面接の準備で扱っています。

ケース以外の面接でも構造が見られる

答え方そのものが仕事の見本として読まれる

論理を組み立てて説明することが業務そのものであるため、答えの中身だけでなく、話す順序が評価の対象になります。
結論を先に置き、根拠を数えられる形で続け、必要なら前提を補うという構造です。

この構造は、志望動機を聞かれたときも、失敗した経験を聞かれたときも同じです。
質問の種類が変わっても、答えの形は変えないほうが一貫して見えます。

業界未経験からの応募が相当な比率を占める

OpenMoneyが転職レポートを分析した調査では、コンサルへの転職前の主な業界はSIer・ソフトウェア開発が29.1%で最多、IT系を合計すると約39%でした(出典: OpenMoney)。

業界未経験からの移動が珍しくないということです。
そのため面接では、コンサルの経験があるかではなく、前職の経験が応募先の領域とどう接するかが確認されます。
年代ごとの事情は未経験からコンサルに転職できる?で扱っています。

転職時の年齢分布が質問の前提になる

同じ調査では、コンサルへの転職時の平均年齢は29.8歳、中央値は29歳で、2社目としての流入が約70%を占めるとされています。

分布の中心にいる場合、面接では積み上げた経験の量が確認されます。
そこから離れている場合、なぜこの時期なのかという質問が厚くなります。
自分が分布のどこにいるかで、答えの重心が変わります。

クライアントの話は置き換えて答える

社名と具体的な内容は口頭でも出さない

前職で担当した案件について、クライアントの名称や提案の中身は守秘の対象になります。
これは書類でも面接でも同じで、面接官がコンサルタントであれば、その線引きは前提として共有されています。

代わりに使うのは、業界、企業の規模、プロジェクトのテーマ、期間、チームの人数、自分の役割という単位です。
特定できない形に置き換えたうえで、自分が何をしたかを話すという組み立てにします。

置き換えても役割は説明できる

社名を出さなくても、担当した工程は説明できます。
仮説の組み立てに関わったのか、データの収集と整理を担ったのか、クライアントとの打ち合わせに同席していたのかは、そのまま答えられます。

事業会社出身の場合も同じです。
要件を整理して仕様に落とした経験、業務のやり方を変える提案をした経験、複数部署の意見が割れた状態で判断の材料をそろえた経験は、社名なしで説明できます。
書き出す手順は職務経歴書はいつ作ればよいかにまとめています。

成果は自分が担った範囲まで区切る

プロジェクトの成果を聞かれたとき、チーム全体の結果を自分の成果として答えると、続く質問で線引きを求められます。
最初から、自分が担当した部分と、チームとしての結果を分けて答えます。

区切って答えられるかどうかが、分業の中での働き方の理解として読まれます。

ケース以外で聞かれることと、その理由

ケース以外で出やすい質問を一覧にする

ケース面接ではない場面で出やすい質問を、何を確認しようとしているかとあわせて並べます。
目的が分かると、答える方向がぶれなくなります。

質問 確認されていること 答えの軸
なぜコンサルなのか 職種の理解と、動機の具体性 前職で判断した場面から接続する
なぜこのファームなのか 領域の理解 領域を名指しし、自分の経験と結ぶ
なぜいまなのか 時期を選んだ理由 積み上がった経験と、次に必要なもの
直近のプロジェクトの内容は 担当した工程と役割 業界・規模・テーマの単位で
うまくいかなかった経験は 振り返りの仕方 原因の切り分けと、変えた手順
入社後は何をしたいか 階層と業務の理解 想定される役割の範囲で

軸を決めておくと、質問の順序が入れ替わっても答えが崩れません。
書類を暗記するのではなく、答え同士の関係だけを覚えておくと、聞かれ方が変わっても組み立て直せます。

「なぜコンサルか」は口頭で崩れやすい

書類に書いた志望動機は、面接で必ず深掘りされます。
ここで抽象的な言葉だけを述べると、その根拠を確かめる質問が続き、答えが止まります。

崩れにくくするには、前職の経験のうち、いまの志望につながった場面を1つだけ選んでおきます。
状況を整理して方針を決めた場面、または決められなかったことに問題意識を持った場面が起点になります。
1つ目の解像度が、続く2つの問いの上限を決めます。
組み立て方はコンサルの志望動機はどう書く?で扱っています。

「なぜこのファームか」は領域で答える

ファームは、戦略、IT・デジタル、業務改善、財務、人事といった領域によって扱う案件が変わります。
「幅広い案件に関われる」という答えでは、どのファームにも当てはまってしまいます。

答える際は領域を名指しし、自分のどの経験がそこに接するかを続けます。
領域ごとの違いはコンサルは領域で選び方が変わるで整理しています。

入社後の話はグレードを踏まえて答える

コンサルティングファームには、アナリストからパートナーまでの階層があり、階層ごとに担う役割が変わります。
入社を想定する階層で任される業務を把握していないと、入社後の話が実態とずれます。

「プロジェクトを統括したい」という答えが、入社時点の役割と合っていない場合、そこから確認の質問が入ります。
階層の構造はコンサルの役職とは?にまとめています。

条件と働き方はこちらからも確認する

稼働の実態は聞いておく項目になる

プロジェクトの繁閑、出張の頻度、クライアント先に常駐するかどうかは、求人票からは読み取れません。
面接の質問の時間で確認する項目になります。

聞くこと自体が不利になるとは限りません。
むしろ、入社後の想定を合わせないまま進むほうが後で噛み合わなくなります。
判断の前提として抜けやすい点はコンサル転職の後悔はどこで起きるかで扱っています。

アサインの決まり方を聞く

どの案件に入るかがどう決まるのか、希望はどの程度反映されるのか、初回のアサインはいつ頃かは、入社直後の働き方に直結します。
募集要項には書かれていない項目です。

待遇の話だけに質問が偏ると、業務への関心が薄いと受け取られやすいため、業務理解につながる項目を先に置きます。

年収の話は動機と切り離す

コンサルへの転職による年収変化は平均で112万円の増加、78.9%が年収アップという調査結果があります(出典: OpenMoney)。
裏返すと約2割は上がっていません。

この数字は市場の傾向であり、志望の根拠にはなりません。
面接で年収を主たる理由として述べると、条件が上回る他社があれば移るという前提を自分で示すことになります。
条件の調整は選考が進んだ後の場面で行います。
伝え方は転職の年収交渉はできる?、年収が決まる仕組みは転職で年収は上がる?下がる?にまとめています。

評価と昇格の周期を確認する

階層で役割が分かれる組織では、次の階層に上がる周期と、その判断が誰によってされるかが働き方に直結します。
年に何回評価があるのか、案件ごとの評価がどう集約されるのかは、面接で聞ける内容です。

賞与の算定方法とあわせて、内定後に示される書面でも確認します。
求人票に書かれた年収は幅であり、確定するのは書面です。
項目は労働条件通知書の確認ポイントにまとめています。

要件は自分で読み、選考の形は担当者に聞く

募集要項に書かれた要件は、登録すれば自分で読めます。
一方、面接が何回あるか、どの段階でケースが入るかは公開されていません。
この2つは、利用の始まり方が違うサービスに分かれています。

会員登録型は求人の要件を自分で読める

当サイトのデータでは、転職AI for コンサルタント、NewMA、LHH転職エージェントが全国対応の登録型として記録されています。
会員登録の時点で求人の要件と年収レンジを確認できるため、要件から想定質問を作る作業に使えます。

応募したい領域の求人を10件ほど並べて要件を書き出すと、共通して出てくる語が見えます。
その語を自分の経歴でどう説明するかが、準備の中心になります。
登録だけで進める使い方はコンサル転職は面談なしで進められる?にまとめています。

面談実施型は選考の進み方を聞ける

当サイトのデータでは、コンサルファーム出身者によるコンサル転職専門エージェント、KOTORA、メーカーズジョブ、MyVision、コンコードエグゼクティブグループなどが面談実施型として記録されています。
担当者と話す時間があるため、選考の形についても尋ねられます。

担当者が業界の内側を知っている場合、プロジェクト経験の細かい部分も説明が通りやすくなります。
「この領域では、どの経験が要件に入ることが多いか」といった質問は、求人を日常的に扱っている相手に聞くほうが具体的な答えが返ります。

対象条件を先に確認する

面談実施型には対象条件が定められているものがあります。
MyVisionは対象年齢を24〜39歳、コンコードエグゼクティブグループは22〜54歳、Groovement Agentは大卒以上かつ24〜34歳の正社員転職を検討している方を対象としています。
CDBエージェントは50歳未満の方が対象です。

準備を始める前に自分が対象に入るかを読んでおくと、計画が途中で崩れません。
資格が選考でどう扱われるかは中小企業診断士はコンサル転職で有利?、オンラインでの面談や面接の準備はオンライン面談の準備で扱っています。

まとめ

  • ケース以外の面接でも、結論を先に置く答え方の構造そのものが見られる
  • クライアントの社名と内容は口頭でも出さず、業界・規模・テーマの単位に置き換える
  • 成果は自分が担った範囲とチームの結果を分けて答える
  • 「なぜコンサルか」は、前職で判断した場面を1つ用意しておくと崩れにくい
  • 入社後の話は、想定されるグレードで任される役割の範囲で答える
  • 求人の要件を読むなら登録型、選考の進み方を聞くなら面談実施型と使い分ける