「登録したらすぐに面談を組まれるのではないか」。
転職サービスを使う前に、この点で手が止まる人がいます。

先に結論を書きます。
会員登録だけで求人が見られるサービスがあります。
求人を眺めるところで一度止めても構いません。

ここでは、なぜそうしたサービスがあるのか、登録する前に何を確認しておくか、面談型とどう使い分けるかを順に整理します。

求人を見るだけの段階が必要な理由

1年で700万人以上が仕事を移っている

厚生労働省の「令和6年雇用動向調査」によると、2024年の入職者は約747.3万人、離職者は約719.5万人でした(厚生労働省 令和6年雇用動向調査結果の概況)。
入職率は14.8%、離職率は14.2%で、いずれも前年より低下しています。

数としては大きいものの、率で見れば1年間に動く人は7人に1人程度です。
転職はめずらしい行動ではありませんが、全員が毎年動いているわけでもありません。
急いで決める理由は、この数字からは出てきません。

賃金は上がる人も下がる人もいる

同じ調査では、転職して入職した人の賃金がどう変わったかも公表されています。
「増加」が40.5%、「減少」が29.4%、「変わらない」が28.4%です(厚生労働省 令和6年雇用動向調査結果の概況)。

増えた人が最も多い一方で、3割近くは減っています。
転職すれば収入が上がるとは限らず、移る先の条件によって分かれます。
年収がどう決まるかは転職で年収は上がる?で扱っています。

だから最初にやることは応募ではない

上がるか下がるかが移る先の条件次第であるなら、動く前に条件を見比べる工程が要ります。
第一歩は応募ではなく、同じ職種・同じ経験年数の求人を見ることです。

結果として「今の職場のほうが条件が良い」と分かることもあります。
それも材料をそろえたうえでの判断であり、何も見ないまま迷い続けるのとは違います。
この段階でやること・やらなくてよいことは転職するか迷っている段階では何をする?にまとめています。

転職サービスは登録後の進み方で2つに分かれる

ところが、求人を見るだけのつもりで登録したのに、翌日に電話が入ることがあります。
これは担当者の問題ではなく、サービスの型が違うために起きます。

登録の次に何が起きるかで分かれる

会員登録型は3段階、面談型は4段階で、登録後に進む手順の長さが違うことを示した図
会員登録型は3段階、面談型は4段階で、登録後に進む手順の長さが違うことを示した図

会員登録型は、登録すると求人が見られるようになる型です。
こちらから応募するまで、担当者との面談は発生しないことが多くなります。

面談型は、登録がキャリア面談の申し込みを兼ねます。
登録後に担当者から連絡が入り、日程を決めるところから始まります。
求人の紹介は面談のあとです。

種類 登録後に起きること
会員登録型 登録すると求人が見られる。応募するまで面談は発生しないことが多い
面談型 登録がキャリア面談の申し込みを兼ねる。日程調整の連絡が来る

面談型が多いのには理由がある

エージェントは求職者から料金を取らず、企業に人を紹介して成功報酬を受け取る仕組みで動いています。
話さなければ紹介ができないため、早く連絡したい理由が構造として存在します。

つまり、連絡が早いのは仕組みによるものであり、担当者の性格ではありません。
逆に言えば、この仕組みが動かない型のサービスなら、連絡は多くなりません。

名前では判別できない

やっかいなのは、名前から見分けられないことです。
「エージェント」と付いていても登録だけで求人が見られるものがあり、「サイト」と付いていても面談が前提のものがあります。

判別は申し込みページの文言でできます。
「登録後、担当者よりご連絡します」とあれば面談型、「求人を検索できます」「スカウトが届きます」であれば会員登録型です。
連絡の頻度を下げる方法も含めて、転職サービスに登録すると電話は来る?で詳しく扱っています。

会員登録だけで使える総合型サービス

当サイトでは、各サービスが公開している利用条件を職種ごとに整理しています。
職種を限定しない総合型のうち、会員登録の時点で利用が始まるものには次のようなサービスがあります。

職種を限定しないサービスは、扱う求人の幅が広く、利用者が自分で絞り込む前提が成り立ちます。
そのため、登録して検索する形が採用されやすいという事情があります。
資格や実務経験の中身を担当者が確認しないと紹介先を絞れない専門職とは、この点が違います。

全国が対象の登録型サービス

サービス 運営会社 利用の始まり方 対応地域 雇用形態
リクナビNEXT 株式会社リクルート 会員登録型 全国 正社員
リクルートダイレクトスカウト 株式会社リクルートキャリア 会員登録型 全国 正社員
ミイダス ミイダス株式会社 会員登録型 全国 正社員
LHH転職エージェント アデコ株式会社 会員登録型 全国 正社員

4つとも全国が対象で、扱う雇用形態は正社員です。
地域を限定するサービスと違い、勤務地の希望によって最初から対象外になることはありません。

求人検索型は自分のペースで探せる

リクナビNEXTは、会員登録を済ませると求人を検索できる形です。
職種・勤務地・年収などで絞り込みながら、条件の相場を自分で確かめられます。

応募するかどうかは、見てから決められます。
見るだけで終えても、次の手順に進まされることはありません。

スカウト型は登録して待つ

リクルートダイレクトスカウトとミイダスは、経歴を登録しておくと企業やヘッドハンターから連絡が届く形をとっています。
自分から探す前に、相手側が提示する条件を見られるという点が求人検索型との違いです。

リクルートダイレクトスカウトは、管理職・専門職といったハイクラス層を想定したサービスです。
届いたスカウトの年収レンジをいくつか見比べると、自分の経歴が市場でどう扱われるかが見えてきます。

求人検索型が「探して相場を知る」形なのに対し、スカウト型は「待って評価を知る」形です。
両者は排他的ではないため、片方に絞る必要はありません。

「エージェント」の名でも登録から始まるものがある

LHH転職エージェントは、名前にエージェントと付いていますが、当サイトが整理している範囲では会員登録の時点で利用が始まる形です。
名前だけで面談型と判断すると、候補から外す理由が実際には無かった、ということが起きます。

ただし、担当者が付くサービスである以上、登録したあとの進み方はサービスごとに異なります。
登録画面に書かれている次の手順を先に読んでおくと、想定外の連絡を避けられます。

登録する前に確認しておくこと

登録型は面談が無い分、条件が合っているかを自分で確認することになります。
確認は数分で終わります。

対応地域に希望の勤務地が入っているか

対応地域の外だと、登録しても紹介できる求人がありません。
上の4サービスはいずれも全国が対象ですが、地域を限定しているサービスもあります。

求人が掲載されている範囲と、担当者が付いて紹介できる範囲は別のものです。
この違いは転職サービスは地方でも使える?で扱っています。

雇用形態が希望と合っているか

総合型の登録型サービスは、正社員を扱うものが中心です。
派遣や契約社員を希望する場合、同じ運営会社が別のサービスを用意していることがあります。

「全国対応」「正社員」といった条件は、登録後に変えられるものではありません。
先に見るほど無駄が少なくなります。

連絡手段や連絡可能な時間を選べるか

登録画面で、連絡手段や連絡が取れる時間帯を選べるサービスがあります。
選択肢がある場合は、登録の時点で指定しておくとあとから調整せずに済みます。

在職中であることを伝えておくか

在職中に活動する場合、連絡を受けられる時間は限られます。
備考欄に「平日19時以降のみ」と書いておくだけで、行き違いが減ります。
時間の作り方は在職中の転職活動はどう進める?にまとめています。

登録したあとの進め方

同じ職種・経験年数の求人を10件見る

1件だけでは相場が分かりません。
10件ほど並べて見ると、年収の幅・求められる経験・勤務条件の傾向が見えてきます。

この作業に面談は要りません。
登録型のサービスだけで完結します。

比べる項目を先に決めておく

求人票は書式がばらばらで、そのまま読むと印象で判断しがちです。
年収の下限・残業時間・休日数・転勤の有無のように項目を決めてから見ると、サービスをまたいでも同じ基準で比べられます。

年収は上限だけが大きく書かれていることがあります。
下限のほうを見ると、提示される可能性が高い金額に近づきます。

職務経歴書は求人を見ながら作る

書類を完成させてから求人を見る必要はありません。
求人の「求める経験」を見ながら自分の経歴を箇条書きにしていくと、何を持っていて何が足りないかが具体的になります。

この作業自体が、転職するかどうかの判断材料になります。
進め方は職務経歴書はいつ作ればよいかで扱っています。

面談型との使い分け

登録型が向く場面

  • 転職するかどうかを決めていない
  • 今の職場の条件が妥当かどうかを知りたい
  • 在職中で、連絡の対応に時間を割けない

いずれかに当てはまるなら、登録型から始めるほうが進みます。
求人を見る目的に対して、面談は必要な手順ではありません。

面談型が向く場面

  • 応募したい求人の傾向が決まっている
  • 公開されていない求人も見たい
  • 書類の書き方や面接の準備を相談したい

面談型には、自分では見つけられない求人を提示してもらえる利点があります。
一方で、希望が固まっていない段階では、条件を聞かれても答えられません。

登録型だけで応募まで進めることもできる

登録型は「見るだけの入口」ではありません。
求人検索型のサービスは、気になる求人にそのまま応募でき、選考の連絡も個別に届きます。

面談型を併用しなければならない、という決まりはありません。
書類や面接の準備を自分で進められるなら、登録型だけで内定まで進む場合もあります。
準備の内容は転職面接の準備で扱っています。

順番として登録型を先に置く

先に登録型で相場を見て、条件が固まってから面談型を足す。
この順番にすると、面談で話す内容が具体的になり、紹介の精度が上がります。

逆の順番でも進められますが、最初の面談で希望を答えられず、もう一度日程を取ることになりがちです。

登録は2〜3社から

最初から多く登録すると、連絡の対応だけで時間が消えます。
登録型を1〜2社、必要になった段階で面談型を1社足す程度で足ります。

どのサービスが自分の条件に合うかは診断でも絞り込めます。
転職市場全体の動きは転職エージェントはどう選ぶ?にまとめています。

まとめ

  • 2024年の入職者は約747.3万人。
    転職はめずらしい行動ではないが、全員が毎年動いているわけでもない
  • 転職入職者の賃金は「増加」40.5%、「減少」29.4%で、移る先の条件によって分かれる
  • サービスは会員登録型と面談型に分かれ、登録後の進み方が違う
  • 総合型にも、全国を対象とする登録型サービスが複数ある
  • 登録前に見るのは対応地域・雇用形態・連絡手段の3点
  • 登録型で相場を見てから面談型を足すと、話す内容が具体的になる