出産や育児、介護、体調の事情で臨床を離れたあと、「この期間が空いていると戻れないのではないか」と考える人がいます。
何年までなら大丈夫なのかという問いには、多くの記事が答えを出していますが、その根拠まで確認できるものは限られています。
ここでは、確認できていないことを確認できていないと示したうえで、代わりに何を見れば判断できるのかを整理します。

ブランクと採用の関係について、出典のある調査は確認できていない

「何年までなら戻れる」と断定できる根拠が見つからない

当サイトで調べた範囲では、ブランクの長さと看護師の再就職のしやすさの関係を示す、出典の確認できる調査データは見つかっていません。
「3年以上空くと難しい」「5年までなら問題ない」といった記述を掲げる記事は存在しますが、調査の実施主体や対象人数が明示されていないものが多く、判断の根拠として使える状態ではありませんでした。

そのため、この記事では「ブランクがあっても問題ない」「ブランクは不利になる」のどちらの立場も取りません。
根拠のない数字を示すより、確認できる事実と自分で確かめられる方法を並べるほうが判断の役に立つと考えています。

代わりに確認できるのは離職理由の傾向

数字として確認できるのは、看護師が職場を離れる理由の傾向です。
看護師の転職理由としては、結婚・出産・育児・介護といったライフイベント、職場の人間関係、体力面の負担が多く挙げられています(出典: ウェルミーマガジン)。

このうちライフイベントは、期間を空けて職場を離れる理由になりやすいものです。
つまり、離職期間があること自体は、職種として想定される範囲の出来事だと言えます。
ただし、これは「ブランクが評価に影響しない」という意味ではありません。
両者は別の話として扱う必要があります。

転職そのものは特別なことではない

日本看護協会の2021年の調査によると、転職経験のある看護師の転職回数は平均2回で、1回が最も多く25.4%を占めています(出典: カケハシ スカイソリューションズ)。
市場全体の状況は看護師の転職回数は平均何回かにまとめています。

資格と経験は分けて考える

免許は離職期間中も保有し続けられる

看護師免許は、臨床を離れている間も保有し続けられます。
当サイトで整理している看護師向けサービスの利用条件を見ても、対象者は正看護師・准看護師・保健師・助産師といった資格の保有で定義されており、直近の就業状況で線が引かれているものは確認できていません。

なお、公的な復職支援の窓口については、各都道府県のナースセンターの案内を確認してください。
転職サービスとは別の枠組みで、相談先として存在します。

説明が求められるのは経験の側

一方で、応募の場面で問われるのは資格ではなく経験の中身です。
どの診療科で、どのような処置を、どの規模の施設で担当していたか。
この部分は離職期間の長さにかかわらず整理が必要になります。
ブランクを気にして手が止まるより、この整理を先に進めるほうが実務的です。

書き出すときは、離職の理由と期間を事実として簡潔に記載します。
理由を過度に説明したり、逆に伏せたりするより、事実を短く書くほうが読み手に伝わります。
書類の作り方は職務経歴書はいつ作ればよいかを参考にしてください。

求人から自分で確かめる方法

教育体制の記載を数える

自分が希望する地域と勤務先の種類で求人を20件ほど集め、「ブランク可」「未経験可」「研修あり」といった記載が何件にあるかを数えてみます。
この作業で得られる数字は、どこかの記事に書かれた一般論より、自分にとって正確な判断材料になります。

数え方は地域と勤務先の種類で結果が変わるため、一般的な条件ではなく自分の希望条件で行います。
記載が少ない場合、条件の幅を広げるか、勤務先の種類を変えるかという次の判断につながります。

必須要件と歓迎要件を分けて読む

求人票の応募要件は、多くの場合「必須」と「歓迎」に分かれています。
実務経験の年数がどちらに書かれているかで、その施設における位置づけが分かります。
必須要件に年数が入っていれば選考に進む条件ですが、歓迎要件であれば加点材料という扱いです。

雇用形態を正社員だけに限定しない

常勤で戻ることを前提にすると、候補が狭まることがあります。
当サイトのデータでは、「レバウェル看護 派遣」が全国対応の登録型として、「レバウェル看護派遣」が大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山・愛知・岐阜・三重・静岡・北海道を対応地域とする登録型として掲載されています。
いずれも雇用形態を正社員に限定せず扱っています。

派遣という働き方は、勤務日数や勤務先をある程度選びやすい一方、賞与や退職金といった正社員特有の待遇が無いことが一般的です。
契約と派遣の違いは正社員以外(契約・派遣)で探す選択肢で扱っています。

サービスの使い方

まず登録型で要件の書かれ方を見る

面談の前に求人の要件を自分で読んでおくと、聞くべきことが明確になります。
レバウェル看護・ナースではたらこ・リニューケア・ジストリー・ナースJJはいずれも全国対応の登録型で、会員登録を済ませた段階で求人を確認できます。

面談型で不安な点を直接聞く

離職期間の扱いや教育体制の実際は、求人票からは読み取りにくい部分です。
当サイトのデータでは、MCナースネットが全国対応の面談実施型、クリアス看護が北海道・愛知・大阪・福岡を対応地域とする面談実施型です。
求人を日常的に扱っている相手に尋ねるほうが、一般論より具体的な回答を得られます。

対象者の条件を先に確認する

サービスによっては、対象年齢が定められている場合があります。
クリアス看護は48歳以下を対象としています。
条件から外れている場合は登録しても紹介に至らないため、登録前に確認しておくと無駄がありません。

まとめ

  • ブランクの長さと採用の関係を示す、出典の確認できる調査データは見つかっていない
  • 確認できるのは、離職のきっかけにライフイベントが多いという傾向と、転職経験のある看護師の転職回数が平均2回であること
  • 免許は離職期間中も保有し続けられる一方、説明が求められるのは経験の中身
  • 推測で判断するより、自分の希望条件で求人を20件集め、教育体制と必須要件の記載を数える
  • 常勤に限定せず、派遣を扱うサービスも候補に入れると選択肢が広がる