夜勤の負担が転職を考えるきっかけになることは、介護職では珍しくありません。
介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」によると、現在の事業所に勤め始めた理由として「残業が少ない・有休が取りやすい・シフトがきつくない」を挙げた人は27.3%でした(出典: doctormate.co.jp)。
勤務時間の組み方は、職場を選ぶ際の判断材料の一つになっています。

ここでは、夜勤を外す前提で介護の求人を探すときに、何を見て何を確認するかを整理します。

夜勤を外すと何が変わるか

収入の構成が変わる

夜勤手当は基本給とは別に支給される項目です。
夜勤を外すと、この部分が支給されなくなるため、同じ基本給でも受け取る金額の構成が変わります。
求人票の「月給」の表示に夜勤手当が含まれているかどうかで、比較の前提がずれることがあります。

そのため、夜勤なしの求人と現職を比べるときは、手当を除いた金額どうしで並べる必要があります。
求人票に「月給◯円(夜勤手当◯回分を含む)」といった注記がある場合、その注記を外した金額が実際の比較対象です。
金額の見方は転職で年収は上がる?で扱っています。

生活のリズムと勤務区分が変わる

夜勤を外すと勤務時間が日中に寄るため、家庭の事情や通院、資格取得のための研修と組み合わせやすくなります。
一方で、早番と遅番の入れ替わりが残る職場では、日中の勤務でも起床時間が一定にならないことがあります。

夜勤の有無だけを条件にすると、勤務区分や残業の実態を見落としやすくなります。
夜勤を外すことは目的ではなく手段であり、その先にどういう生活の形を置きたいのかを先に決めておくと、条件の優先順位が付けやすくなります。

職場の種別によって前提が違う

介護の職場は種別によって夜勤の位置づけが変わります。
入居者が生活する施設では夜間の体制が必要になり、日中のみのサービスを提供する事業所では夜勤そのものが発生しません。
訪問介護では、夜間対応の有無が事業所ごとに異なります。

つまり、夜勤を外す条件は、種別の選択とほぼ重なります。
種別ごとの働き方の違いは訪問介護と施設介護、探し方はどう違う?にまとめています。

求人票の夜勤の表記を読み分ける

「夜勤なし」と「夜勤応相談」は別

求人票の表記にはいくつかの型があります。
「夜勤なし」は業務として夜勤が発生しないことを示しますが、「夜勤応相談」「夜勤選択制」は、本人の希望で調整できる余地があるという意味であり、配属や人員の状況によって扱いが変わることがあります。

「夜勤専従」はこれらとは逆で、夜勤だけを担当する働き方を指します。
同じ「夜勤」という語が入っていても意味は正反対のため、検索結果に混ざったときに読み違えないよう注意が必要です。

早番・遅番・宿直・オンコールは別項目

「夜勤なし」と書かれていても、夕方から夜にかけての遅番が業務に含まれる場合があります。
また、宿直と夜勤は勤務の位置づけが異なり、求人票で別の語として使い分けられていることがあります。
訪問介護では、夜間の呼び出しに備える待機の当番が設定されている事業所もあります。

そのため、夜勤の有無に加えて、早番・遅番・宿直・待機という項目を分けて確認します。
待機の回数と、実際に呼び出される頻度は求人票からは読み取れないことがほとんどです。

記載がない場合は質問項目に残す

求人票に夜勤の扱いが書かれていない場合、書かれていないこと自体が確認すべき事項です。
「シフト制」とだけ書かれている求人は、夜勤を含む可能性があります。
応募前の問い合わせや見学の場で聞く項目として、あらかじめメモに残しておくと聞き漏らしを防げます。

複数の求人を見るときは、確認項目を同じ順序で並べたメモを使います。
施設ごとに聞く内容が変わると、後から比較ができなくなります。

サービスは夜勤の有無で分かれていない

検索条件と希望として伝える形になる

当サイトで整理している介護・福祉向けサービス20件のデータでは、夜勤なしに特化したサービスは確認できていません。
夜勤の有無は、サービスを選ぶ軸ではなく求人を絞り込む条件として扱うことになります。

進め方としては、全国を対象とする登録型のサービスで求人を検索し、夜勤の条件で絞った結果を見比べるのが現実的です。
クリックジョブ介護・ジョブソエル・メンラボジョブ・介護求人ラボ・かる・けるはいずれも全国を対象とする登録型で、会員登録を済ませた段階で求人を確認できます。

雇用形態を複合で扱うサービスがある

正社員に限らない働き方を含めて考えると、条件の組み合わせ方が広がります。
当サイトのデータで、扱う雇用形態を正社員に限定していないサービスは2件です。
レバウェル介護は登録型で対応地域は北海道・宮城・埼玉・千葉・東京・神奈川・静岡・愛知・京都・大阪・兵庫・奈良・広島・福岡の14都道府県、ワークスタッフナビは全国を対象とする面談実施型です。

パートや派遣という働き方は、勤務日数や時間帯をある程度選びやすい一方、賞与や退職金といった正社員特有の待遇が無いことが一般的です。
夜勤を外すことと収入の条件をどう両立させるかを考えるうえで、比較対象として見ておく価値があります。

面談実施型では運用の実態を質問できる

夜勤応相談の実際の運用や、人員が不足したときの調整の仕方は、求人票では分からない部分です。
当サイトのデータでは、ワークスタッフナビとMC介護のお仕事が全国を対象とする面談実施型です。
かいご畑には22道府県を対象とする面談実施型のラインがあり、介護タウンは愛知県・大阪府を対象としています。

こうした質問を投げる相手として使う場合、対応地域が自分の希望勤務地を含んでいるかを先に確認します。
対象外の地域では、紹介できる求人がそもそも無いことになります。

条件の優先順位を決めておく

譲れない条件を一つに絞る

夜勤なし・給与・通勤時間・事業所の種別をすべて満たす求人は多くありません。
譲れない条件を一つに決め、残りは幅を持たせるほうが、候補が残ります。
夜勤を外すことが最優先なら、事業所の種別や地域の条件は広めに設定して求人を見ます。

優先順位が決まっていないまま検索条件を絞り込むと、該当件数が数件まで落ちることがあります。
件数が少ないこと自体は、条件の付け方の問題である場合が多く、市場に求人が無いこととは別です。

求人を並べて金額の幅を把握する

夜勤なしの求人を10件ほど並べると、その地域と種別での金額の幅が見えてきます。
相場を知らないまま1件だけを見て判断すると、条件の良し悪しを評価できません。
この作業は応募の前段階として進められます。

処遇改善加算の反映の仕方は事業所によって差があるため、この段階で給与欄の書き方も見ておきます。
介護職全体の待遇の動きは介護職の転職市場はいま?にまとめています。

まとめ

  • 「夜勤なし」「夜勤応相談」「夜勤専従」は別の条件として読み分ける
  • 夜勤を外すと収入の構成が変わるため、手当を除いた金額どうしで比べる
  • 当サイトのデータでは、夜勤なしに特化したサービスは確認できていない
  • 雇用形態を正社員に限定していないサービスは2件で、働き方の幅を広げる選択肢になる
  • 譲れない条件を一つに絞り、夜勤なしの求人を10件並べて金額の幅を把握する