介護の職場は、特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・グループホーム・デイサービス・訪問介護など種別が多く、同じ「介護職」という言葉でも一日の動き方が変わります。
求人を見比べようとしたときに、条件が並べられないと感じるのはこのためです。

ここでは、訪問介護と施設介護という大きな2つの分け方で、働き方と求人票の見方がどう変わるかを整理します。
サービスの側がこの区分で分かれているのかどうかも、当サイトのデータで確認します。

訪問介護と施設介護で変わるもの

一人で判断する時間の長さ

訪問介護は、利用者の自宅へ向かい、決められた時間内でサービスを提供する形です。
その場に他の職員がいないため、状況の変化に対する判断を一人で行う時間が長くなります。
判断に迷ったときは事業所へ連絡することになりますが、目の前の対応は自分で進める必要があります。

施設介護は、フロアや事業所内で複数の職員が同時に動きます。
判断を相談できる相手が近くにいる一方、業務の進め方や申し送りの手順は組織で決まっており、個人の裁量は相対的に小さくなります。
同じ介護でも、負担がかかる場所が違います。

勤務時間の組み立て方

訪問介護は、訪問の予定に合わせて勤務時間が組まれます。
1日のうち特定の時間帯だけ働く形や、曜日ごとに稼働時間が異なる形があり、勤務時間を自分の生活に合わせやすい場合があります。
一方、予定が埋まらない時期は稼働時間そのものが減ることがあります。

施設介護は、早番・日勤・遅番・夜勤といった勤務区分でシフトが組まれます。
勤務時間が読みやすい反面、シフトの都合で希望が通らない日もあります。
夜勤の扱いについては夜勤なしで働ける介護の職場はどこかで詳しく扱っています。

通勤と移動の位置づけ

介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」によると、現在の事業所に勤め始めた理由は「通勤が便利だから」50.3%が最多でした(出典: doctormate.co.jp)。
介護の職場選びで、通勤条件は上位の判断材料になっています。

この点で、訪問介護と施設介護は前提が異なります。
施設介護は勤務地が一箇所に固定されるため、通勤時間を一度計算すれば済みます。
訪問介護は、事業所への通勤に加えて利用者宅への移動が業務時間の一部に入ります。
移動の負担は求人票の勤務地欄だけでは見えません。

求人票で確認する項目が変わる

訪問介護で確認する項目

訪問介護の求人では、移動手段の指定(自転車・自動車・公共交通機関)、移動時間が勤務時間に含まれるか、直行直帰が可能か、担当エリアの範囲を確認します。
移動が自家用車の場合、ガソリン代や車両の扱いがどうなっているかも金額に関わります。

雇用形態の区分も確認が必要です。
訪問介護には、決まった時間帯に働く常勤の形と、訪問の件数に応じて働く登録型の形があり、収入の安定度が変わります。
緊急時の呼び出しや、担当者が休んだときの代替対応がどう回っているかも、入職後の負担に直結します。

施設介護で確認する項目

施設介護の求人では、夜勤の回数、夜勤の勤務時間帯と仮眠の扱い、フロアあたりの入居者数と職員数、勤務区分の種類を確認します。
人員の配置は業務量に直結する項目ですが、求人票に具体的な数字まで書かれていないことが多くあります。

書かれていない場合は、書かれていないこと自体を確認事項として残します。
見学や面接の場で聞ける項目としてメモにしておくと、複数の施設を回ったときに比較できる形が残ります。

両方に共通して確認する項目

種別が違っても共通する確認項目があります。
処遇改善加算が給与にどう反映されているか、資格取得の支援があるか、賞与や手当の支給条件はどうかです。
加算の反映の仕方は事業所によって差があり、基本給に含める形と手当として別枠にする形があります。

同じ法人内でも施設によって扱いが異なることがあります。
「同じ法人だから同条件」という前提は置かず、個別に見ておくほうが後の食い違いを減らせます。

サービスの側は種別で分かれていない

訪問特化・施設特化のサービスは確認できていない

当サイトで整理している介護・福祉向けサービス20件のデータでは、訪問介護に特化したサービス、施設介護に特化したサービスは確認できていません。
事業所の種別は、サービスを選ぶ軸ではなく求人を絞り込む条件として扱うことになります。

したがって、進め方としては、全国を対象とする登録型のサービスで求人を検索し、種別で絞った結果を見比べる形が現実的です。
クリックジョブ介護・ジョブソエル・メンラボジョブ・介護求人ラボ・かる・けるはいずれも全国を対象とする登録型で、会員登録を済ませた段階で求人を確認できます。

分かれているのは職種のほう

種別ではなく職種で分かれているサービスはあります。
当サイトのデータでは、ケアマネ専門の転職サイトが全国を対象とする面談実施型で、ケアマネジャー・主任ケアマネジャーの資格保有者を対象としています。
ジョブサポケアマネは大阪府を対象地域とする申込型です。

「業界最大手」という名称で掲載されているサービスも、ケアマネジャーなどの資格保有者を対象としています。
介護職として現場で働く求人を探す場合と、ケアマネジャーとして働く求人を探す場合では、候補に挙がるサービスが変わるということになります。

種別の希望は登録後に伝える

面談を伴うサービスであれば、担当者に希望する種別を直接伝えられます。
ワークスタッフナビ、MC介護のお仕事はいずれも全国を対象とする面談実施型です。
かいご畑には22道府県を対象とする面談実施型のラインがあり、介護タウンは愛知県・大阪府を対象としています。

求人票に書かれていない運用の実態は、こうした場で質問できる項目です。
訪問介護なら1日あたりの訪問件数と移動距離、施設介護なら夜勤の実際の回数といった内容が該当します。

迷ったときの決め方

一日の動き方から決める

種別で迷う場合、給与や勤務地より先に「一日をどう過ごしたいか」を決めるほうが早く絞れます。
一人で動く時間が長いほうが集中できるのか、周囲に相談できる相手がいるほうが安心なのか。
この一点で、訪問と施設のどちらに寄せるかが決まることがあります。

未経験から入る場合は、この違いが最初の負担に直結します。
無資格・未経験からの進め方は無資格・未経験から介護職になれる?で扱っています。

両方の求人を並べて見る

決めきれない場合は、同じ地域で訪問介護と施設介護の求人をそれぞれ10件ずつ並べます。
給与の幅、勤務時間の書き方、応募要件の違いが並べて見えるため、条件の優先順位を付けやすくなります。
応募する前の段階で進められる作業です。

この作業をしないまま片方だけを見ていると、その種別の条件が介護全体の相場だと感じてしまいます。
進め方は転職するか迷っている段階では何をする?にまとめています。

まとめ

  • 訪問介護は一人で判断する時間が長く、施設介護はチームで動く時間が長い
  • 求人票で確認する項目は種別ごとに変わるため、同じ基準では比べられない
  • 事業所に勤め始めた理由は「通勤が便利だから」50.3%が最多で、移動の条件は重い判断材料になる
  • 当サイトのデータでは、訪問特化・施設特化のサービスは確認できていない
  • 分かれているのは職種のほうで、ケアマネジャー向けのサービスは対象資格が設定されている