介護は、資格や実務経験がない状態から目指せる職種として紹介されることが多い分野です。
一方で、求人を見ていくと「初任者研修修了以上」「実務経験◯年以上」といった要件が並ぶこともあり、どこまでが無資格で入れる範囲なのかが分かりにくくなっています。
ここでは、無資格・未経験の状態から介護職を探すときに、何を確認すればよいのかを整理します。
資格の有無で、使えるサービスと見られる求人の範囲が変わる点まで扱います。
未経験の入口が開きやすい理由
有効求人倍率は全職種平均の2.5倍以上
2025年5月時点の介護関係職種の有効求人倍率は3.41倍でした。
全国の全職種平均が約1.31倍であることと比べると、2.5倍以上の開きがあります(出典: 太田高貴氏note)。
厚生労働省は、2025年に全国で約32万人の介護職員が不足すると予測しています(出典: MEIKOGLOBAL)。
求人が求職者を上回っている状態が続いているため、未経験者を受け入れて育てる前提の求人が出やすい環境になっています。
ただし、これは業界全体の平均であり、個々の事業所が未経験者を採用するかどうかは求人票の要件で決まります。
倍率の高さを、応募要件を満たしていない求人に応募してよい理由にはできません。
待遇面の改善も進んでいる
2024年度の介護報酬改定に伴う処遇改善加算により、常勤介護職員の平均給与額は月額13,960円増となりました(2023年度と2024年度の比較。
出典: ケアコム)。
未経験から入る場合、最初の給与水準は経験者より低くなるのが一般的です。
ただし、加算の反映の仕方は事業所によって差があり、基本給に含める事業所も手当として別枠で示す事業所もあります。
求人票の給与欄を実際に並べて比べる意味があるのはそのためです。
資格の段階と、応募できる求人の範囲
資格は段階になっている
介護の資格は段階的に積み上がる構造になっています。
入口にあたる研修から、実務経験と組み合わせて取得する国家資格まで、順序があります。
この段階が待遇に反映されやすい点は、介護職の特徴の一つです。
無資格の状態で応募できる求人があるかどうかは、事業所と職種によって変わります。
施設内での介護補助や生活支援員のように、無資格でも応募できる募集が出ることがある一方、訪問介護のように、応募要件として一定の研修修了が明記されている募集もあります。
要件は求人票に書かれているため、一般論ではなく個々の求人で確認します。
「無資格可」「未経験可」の表記を分けて読む
求人票の表記は、「無資格可」と「未経験可」で意味が違います。
無資格可は資格を持っていなくても応募できるという意味で、未経験可は介護の実務経験がなくても応募できるという意味です。
資格は持っているが実務は初めて、という場合は後者に当てはまります。
両方が書かれている求人でも、入職後に資格取得を求められる場合があります。
取得の費用を事業所が負担するのか、研修の時間が勤務として扱われるのかは求人票からは読み取れないことが多く、応募前の質問項目として残しておく価値があります。
事業所の種別によって前提が変わる
介護の職場は、特別養護老人ホーム・有料老人ホーム・グループホーム・デイサービス・訪問介護など種別が多く、一日の動き方も必要な判断も変わります。
未経験から入る場合、一人で利用者宅へ向かう形と、複数人で動く施設内の形では、最初の負担がまったく違います。
どちらが合うかは、求人票の条件だけでは判断できません。
種別ごとの違いは訪問介護と施設介護、探し方はどう違う?にまとめています。
応募先を決める前に、この違いを把握しておくほうが後の判断が早くなります。
資格が対象条件になっているサービスがある
登録前に対象条件を確認する
介護・福祉向けの転職サービスには、保有資格が対象条件として設定されているものがあります。
当サイトのデータでは、「業界最大手」という名称で掲載されているサービスはケアマネジャー(介護支援専門員)などの資格保有者を対象としており、「介護職・福祉専門の転職サイト」は初任者研修・実務者研修などの修了者を対象としています。
ケアマネ専門の転職サイトは、ケアマネジャー・主任ケアマネジャーの資格保有者が対象です。
ジョブサポケアマネは大阪府を対象地域とする申込型で、名称のとおりケアマネジャー向けのサービスです。
無資格の段階では、これらは候補から外れます。
対象条件は登録前のページで確認できるため、先に読んでおくと無駄がありません。
資格の条件が確認できないサービスから見る
当サイトのデータで対象資格の記載が確認できないサービスとしては、全国を対象とする登録型のクリックジョブ介護・ジョブソエル・メンラボジョブ・介護求人ラボ・かる・けるがあります。
会員登録の時点で求人を見られる形のため、応募要件を自分の目で確かめながら進められます。
ただし、記載が確認できないことは、条件が無いことを意味するものではありません。
登録の画面に進んだ段階で条件が示される場合があります。
表示された内容を優先してください。
働きながら資格を取るという進め方
求人紹介と資格取得支援が同じ窓口にある形
かいご畑は、求人の紹介と資格取得の支援を組み合わせて運営している点が特徴です。
当サイトのデータでは、全国を対象とする申込型のラインと、22道府県を対象とする面談実施型のラインに分かれています。
同じ名称でも、どちらの入口から入るかで進み方が変わります。
働きながら資格を取る前提で仕事を探す場合、求人と資格支援が同じ窓口にある形は、実際の進め方と噛み合います。
運営会社ごとの特徴は介護職の転職は大手を選ぶべき?で扱っています。
雇用形態を正社員に限定しない選択肢
未経験から入る場合、いきなり正社員に絞ると候補が狭まることがあります。
当サイトのデータでは、扱う雇用形態を正社員に限定していないサービスは、レバウェル介護とワークスタッフナビの2件です。
レバウェル介護は登録型で対応地域は14都道府県、ワークスタッフナビは全国を対象とする面談実施型です。
派遣やパートから始めて、実務経験を積みながら資格取得を目指す進め方もあります。
賞与や退職金といった正社員特有の待遇が無いことが一般的である点は、比較の前提として押さえておきます。
最初にやることは応募ではなく求人を見ること
未経験で始める場合ほど、いきなり応募するのではなく、まず求人を10件ほど並べて見る作業が効きます。
応募要件にどんな資格名が並ぶのか、無資格可の求人がどの種別に多いのか、給与の幅がどの程度かは、並べれば見えてきます。
進め方は転職するか迷っている段階では何をする?にまとめています。
この作業を先に済ませると、資格を取ってから応募するのか、無資格可の求人に応募して働きながら取るのかを、自分の状況で判断できるようになります。
順序が決まれば、使うサービスも自然に絞られます。
まとめ
- 介護関係職種の有効求人倍率は3.41倍で、全職種平均の2.5倍以上の開きがある
- 「無資格可」と「未経験可」は意味が違うため、求人票で分けて読む
- サービスによっては保有資格が対象条件になっているため、登録前に確認する
- 働きながら資格を取る前提なら、求人紹介と資格取得支援が同じ窓口にある形が噛み合う
- 雇用形態を正社員に限定していないサービスは、当サイトのデータでは2件



