「地方では転職サービスが使えない」という言い方を見かけることがあります。
介護は地域を問わず必要とされる仕事ですが、サービスの側には対応地域があり、登録しても紹介できる求人が無いと言われることがあります。
ここでは、介護・福祉向けサービスの対応地域が実際にどう分かれているかを当サイトのデータで確認し、地方で探すときの順序を整理します。
地方でも求人そのものは動いている
人手不足は全国の話として示されている
2025年5月時点の介護関係職種の有効求人倍率は3.41倍でした。
全国の全職種平均が約1.31倍であることと比べると、2.5倍以上の開きがあります(出典: 太田高貴氏note)。
厚生労働省は、2025年に全国で約32万人の介護職員が不足すると予測しています(出典: MEIKOGLOBAL)。
これらは全国を単位とした数字であり、都道府県ごとの内訳を示すものではありません。
ただし、介護サービスは利用者が生活する場所で提供されるため、人が住んでいる地域には事業所があります。
求人が都市部だけに存在するという構造にはなっていません。
運営主体が多様で、地元法人が多い
介護事業所は、社会福祉法人・医療法人・株式会社・NPOなど運営主体が多様で、一つの市区町村の中に小規模な法人が数多くあります。
地方では、全国展開している法人より、その地域だけで事業を行っている法人の比率が高くなる傾向があります。
こうした法人の募集は、大手の求人サイトに掲載されていないことがあります。
掲載費用をかけず、ハローワークや地域の紹介、直接の募集で採用している場合があるためです。
サービス上の件数が少ないことと、地域に求人が無いことは別です。
サービスの対応地域には偏りがある
20件のうち6件が地域限定
当サイトで扱っている介護・福祉向けサービス20件のうち、対応地域が限られているものは6件です。
残る14件は全国を対象としています。
地域限定の6件の内訳は次のとおりです。
| サービス | 申込方式 | 対応地域 |
|---|---|---|
| レバウェル介護 | 登録型 | 北海道・宮城・埼玉・千葉・東京・神奈川・静岡・愛知・京都・大阪・兵庫・奈良・広島・福岡(14都道府県) |
| かいご畑(面談実施型のライン) | 面談実施型 | 北海道・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨・岐阜・静岡・愛知・三重・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・岡山・山口・福岡・佐賀(22道府県) |
| 求人あるある介護 | 登録型 | 北海道・宮城・埼玉・千葉・東京・神奈川・愛知・京都・大阪・兵庫・広島・福岡(12都道府県) |
| みーつけあエージェント | 登録型 | 埼玉・千葉・東京・神奈川・京都(5都府県) |
| 介護タウン | 面談実施型 | 愛知・大阪 |
| ジョブサポケアマネ | 申込型 | 大阪 |
6件を重ね合わせると24都道府県
この6件の対応地域を重ね合わせると、北海道・宮城・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨・岐阜・静岡・愛知・三重・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・岡山・広島・山口・福岡・佐賀の24都道府県が含まれます。
裏を返せば、残る23県は地域限定のサービスの対象に一つも入っていません。
青森・岩手・秋田・山形・福島・新潟・富山・石川・福井・長野・和歌山・鳥取・島根・徳島・香川・愛媛・高知・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄がこれに当たります。
これらの県で探す場合、候補は全国対応の14件から選ぶことになります。

「全国対応」でも求人の密度は均一ではない
全国対応と書かれている場合も、扱っている求人が全都道府県に均等にあるわけではありません。
都市部に件数が集まり、地方の特定エリアでは選べる数が限られることがあります。
担当者が置かれている拠点の場所によっても、対応の厚みは変わります。
そのため、対応地域の広さは候補に入るかどうかの入口の条件であり、実際に使えるかどうかの答えではありません。
判断の材料になるのは、登録後に自分の希望する市区町村で表示される件数です。
地方で確認する順序
市区町村単位で件数を数える
登録したら、都道府県ではなく市区町村の単位で検索し、件数を数えます。
隣接する市町村まで範囲を広げたときにどれだけ増えるかも併せて見ます。
この2つの数字が分かれば、通える範囲の中に選択肢がどれだけあるかが具体的になります。
件数が一桁であっても、条件に合う求人が含まれていれば問題ありません。
逆に件数が多くても、事業所の種別が希望と合わなければ候補にはなりません。
数だけでなく中身を見る必要があります。
種別ごとの違いは訪問介護と施設介護、探し方はどう違う?にまとめています。
通勤できる範囲を先に決める
介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」によると、現在の事業所に勤め始めた理由は「通勤が便利だから」50.3%が最多でした(出典: doctormate.co.jp)。
事業所選びで通勤条件が上位に来ることは、調査結果としても示されています。
地方では公共交通機関の本数が限られ、自動車での通勤が前提になる地域があります。
冬季の道路状況を含めて通える範囲を先に決めておくと、検索の範囲を毎回悩まずに済みます。
通勤の条件は、後から変えにくい条件です。
複数の経路を並べて見る
転職サービスだけを使うのではなく、ハローワークの求人情報、地域の法人が自社サイトで出している募集も並べて確認します。
前述のとおり、地方では掲載費用をかけずに採用している法人があります。
経路を一つに絞ると、選択肢を自分で狭めることになります。
サービスを使う目的は、求人の全体像を把握することと、条件を比較できる形で並べることです。
応募の経路がサービス経由であるかどうかは、その次の問題として扱えます。
サービスの組み合わせ方
全国対応の登録型で母数を確保する
まず、全国を対象とする登録型のサービスで求人の絶対数を確保します。
当サイトのデータでは、クリックジョブ介護・ジョブソエル・メンラボジョブ・介護求人ラボ・かる・けるなどが全国を対象とする登録型で、会員登録の時点で求人を見られます。
複数を並行して見ると、同じ地域でも扱っている求人が違うことが分かります。
1社だけを見ていると、そのサービスが持っている求人が地域の相場だと感じてしまいます。
地方ほど、この見え方の差が大きく出ます。
対象地域内なら地域限定のサービスも候補になる
自分の希望勤務地が前掲の6件の対象地域に含まれている場合、そのサービスも候補になります。
対応地域を絞っているサービスは、その地域の事業所とのつながりが相対的に強いことがあります。
運営会社の見方は介護職の転職は大手を選ぶべき?にまとめています。
対象地域外であれば、登録しても紹介できる求人がありません。
この確認は登録前に済ませられます。
地域の条件の確認方法は、職種を問わず転職サービスは地方でも使える?で扱っています。
使ってみて合わなければ止めてよい
登録したうえで求人の傾向が希望と違う、対応が合わないと感じた場合、そのサービスを使い続ける必要はありません。
介護・福祉向けサービスの多くは登録も利用も無料で、退会や利用停止は問い合わせフォームなどで完結することが一般的です。
地方で探す場合、最初から使うサービスを一つに決める必要はありません。
複数を試して、自分の地域の求人が実際に出てくるものを残す、という進め方のほうが結果的に早く済みます。
まとめ
- 介護・福祉向けサービス20件のうち、対応地域が限られるものは6件で、14件は全国対応
- 地域限定6件の対応地域を重ねると24都道府県で、残る23県は全国対応のサービスで探すことになる
- 「全国対応」でも求人の密度は均一ではないため、登録後に市区町村単位で件数を数える
- 地方では掲載費用をかけずに採用している法人があり、サービス上の件数と地域の求人数は別
- 全国対応の登録型で母数を確保し、対象地域内なら地域限定のサービスも候補に加える



