経理や人事の実務を数年続けたあと、担当者としてではなくマネジメント側に移れるのかという問いが出てきます。
社内で役職が空くのを待つのか、転職で役職付きのポジションを探すのかという選択でもあります。
ここでは中途採用の実態を示すデータを確認したうえで、管理部門からマネジメントに移るときに何が問われるのかを整理します。
中途採用で管理職を採る企業は増えている
2025年上半期は49.6%の企業が管理職を採用した
マイナビキャリアリサーチLabの「中途採用実態調査2025年版」(企業1,600件・個人500件、2025年7月)によると、2025年1〜6月の中途採用で管理職を採用した企業の割合は49.6%でした。
2021年の38.9%から10.7pt増えています(出典: マイナビキャリアリサーチLab)。
およそ半数の企業が中途で管理職を採用している状況です。
社内で昇進する以外の経路が、実際に一定の規模で存在していることを示す数字と言えます。
役職に就くために現職で待ち続けるという選択肢だけではない、という前提で考えられます。
全職種の数字である点は区別しておく
ただし49.6%という数字は全職種を対象にした調査結果であり、管理部門に限った内訳ではありません。
営業やエンジニアを含む全体の傾向として読む必要があります。
管理部門の管理職ポジションがどの程度公開で募集されているかは、自分の希望地域で求人を数えれば確認できます。
役職名が求人タイトルに入っているもの、業務内容に部下のマネジメントが明記されているものを数え、件数を控えておくと、一般論より正確な材料になります。
動く理由は役職の有無で分かれる
管理職だった人は会社の将来性を理由に挙げている
同じ調査では、転職前に管理職だった人の転職理由は「会社の将来性に不安があった」が33.8%で最多でした(出典: マイナビキャリアリサーチLab)。
役職に就くと、経営の情報や中期の計画に触れる機会が増えます。
その結果、目の前の待遇よりも会社そのものの見通しが判断材料になりやすい、という構図が読み取れます。
すでに管理職として動く場合、この理由をどう説明するかが応募先の選び方にも影響します。
非管理職だった人は給与を理由に挙げている
一方、転職前に非管理職だった人の転職理由は「給与が低かった」が26.5%で最多でした(同調査)。
役職に就く前の段階では、待遇が動機の中心になりやすいということです。
自分がどちらに近いかを言葉にしておくと、求人の見る場所が定まります。
待遇が理由なら年収レンジを、役割の広がりが理由なら組織図と担当範囲の記載を先に読むという分け方になります。
管理部門の転職理由全体の分布は経理の転職は年代でどう変わるかで扱っています。
管理部門からマネジメントに移るときに問われること
担当した工程とチームの規模を分けて書く
管理職の求人では、実務を回せることと人をまとめられることが別々に確認されます。
職務経歴書でも、担当した業務工程と、関わったチームの人数や役割を分けて書くほうが伝わります。
「マネジメント経験あり」とだけ書くと、部下の人数、評価に関与したかどうか、採用に関わったかどうかが読み手に伝わりません。
人数・期間・自分が決めた範囲の3点を数字と事実で書けるかどうかが、書類の段階での分かれ目になります。
人の確保と仕組み化にどう関わったか
Sansan株式会社が経理担当者1000名を対象に行った調査(2024年3月18〜21日実施)では、人手不足を感じている割合は50.1%で、その要因は「新たな経理人材を採用できないため」が48.1%、「業務の自動化・システム導入が進んでおらず生産性が低いため」が32.1%でした(出典: Sansan株式会社)。
採用する側が抱えている課題が、人の確保と業務の仕組み化に寄っていることを示しています。
この2つに自分がどう関わったかを書ければ、募集の背景に直接対応する材料になります。
担当者を育てた、手順書を整えた、システムの入れ替えに関わったといった経験が該当します。
役職に就いていなくても、これらに関わっていた場合は書ける材料があります。
新人の教育を任されていた、締めの手順を作り直した、といった経験は担当者の立場でも起こります。
役職の有無だけで自分の経験を切り分けず、何を決め、何を変えたかという単位で書き出してみると、材料が残っていることがあります。
職務によって管理職の中身が変わる
経理は決算の完遂と体制づくりの両方
経理管理職165人への2025年8月調査では、6割以上が人材面に不安を感じており、DXが進まない要因として「人材不足」を挙げた回答が51.9%で最多でした(出典: インボイス社)。
経理の管理職は、決算を期日どおりに終わらせる責任に加えて、人が足りない状態でどう回すかという課題を同時に抱えている構図が読み取れます。
応募の場面では、決算業務の遂行だけでなく、限られた人数での分担をどう設計したかを説明できると、募集の意図に対応しやすくなります。
求人票にDXやシステム導入の記載がある場合は、その進捗も確認しておく項目になります。
これから導入する段階なのか、導入済みで運用の改善を求めているのかで、入社後に必要な動き方が変わるためです。
記載がなければ、面談で確認する項目として控えておきます。
人事・総務・法務は担当範囲の定義から始まる
人事・総務・法務は、企業ごとに担当範囲の切り方が大きく変わる領域です。
求人票に書かれた業務の列挙をそのまま控え、自分が主担当として回せる項目と、経験のない項目を分けておく作業が先に必要になります。
法務については、平均年収650万円で求人倍率がさらに上がる見込みと分析されています(出典: MS-Japan)。
専門性が明確なぶん、管理職の求人でも求められる経験が具体的に書かれている場合があります。
職務ごとの求人の読み方は経理・人事・総務、転職の探し方は違う?で整理しています。
サービスの使い分け
年収レンジは登録型で先に確認する
当サイトで整理している管理部門向けのサービスは10件で、うち2件は求人を出す企業側を対象としたものです。
求職者が使う8件のうち、会員登録から始まる登録型はMS-JapanとBEET-AGENTの2件で、どちらも対応地域は全国です。
管理職のポジションは年収の幅が広いため、提示された条件が妥当かどうかを判断するには先に相場を見ておく必要があります。
同じ職務・同じ組織規模の求人を並べて年収レンジを控えておくと、後の判断材料になります。
市場全体の状況は管理部門の転職市場はどう違う?にまとめています。
条件が多い場合は面談実施型が向く
面談実施型は5件で、WARC AGENT、ユメキャリ就職エージェント、ユメキャリ転職エージェント、大手企業人事が転職をサポート/ユメキャリ転職エージェント、法務部特化型の転職・求人情報なら/BEET-AGENTが該当します。
ユメキャリの3件は対応地域が全国です。
WARC AGENTは希望勤務地が東京・神奈川・埼玉・千葉・兵庫・大阪・京都・愛知の場合が対象、法務部特化型のBEET-AGENTは東京・神奈川・埼玉・千葉に在住の20代〜40代が対象とされています。
管理職として動く場合、勤務地の制約、任される範囲、既存メンバーとの関係など、求人票の条件だけでは扱えない要素が増えます。
無料相談の申込から始まる申込型としてはCORPOがあり、対応地域は全国です。
時間の確保は必要になりますが、こうした条件を口頭で伝えられる点が面談を伴う形の利点になります。
まとめ
- 中途採用で管理職を採用した企業は2025年1〜6月で49.6%。
2021年の38.9%から10.7pt増えている - ただしこれは全職種の数字であり、管理部門に限った内訳ではない
- 管理職だった人の転職理由は会社の将来性への不安が33.8%、非管理職は給与が26.5%で最多
- 職務経歴書では担当工程とチーム規模を分け、人数・期間・決めた範囲を事実で書く



