施工管理の求人票を見ていると、「1級建築施工管理技士」「2級土木施工管理技士」といった資格名が応募条件に並びます。
名前が似ているうえに種類が多く、自分が取るべきものがどれなのか分かりにくい資格です。

ここでは、施工管理技士がどういう単位で分かれているのか、1級と2級で何が変わるのかを整理します。
制度の細部は改正されるため、この記事では確実に確認できる構造の部分に絞ります。

施工管理技士は種目ごとに分かれた国家資格

建設業法に基づく技術検定の合格者に与えられる

施工管理技士は、建設業法に基づいて行われる技術検定に合格した人に与えられる称号です。
民間の団体が独自に認定する資格ではなく、法令に位置づけられた国家資格にあたります。

このため、資格の内容や受検の要件は法令と国が定める基準によって決まります。
求人票に資格名が書かれている場合、その資格は全国どこでも同じ意味を持ちます。
会社ごとに基準が違うということはありません。

7つの種目に分かれている

施工管理技士は、工事の内容ごとに種目が分かれています。
それぞれの種目が主に対応する工事は次のとおりです。

種目 主に対応する工事
建築施工管理 建築物の新築・増改築などの建築工事
土木施工管理 道路・河川・橋梁・トンネル・上下水道などの土木工事
電気工事施工管理 受変電設備・構内電気設備・照明などの電気工事
管工事施工管理 冷暖房・空調・給排水・衛生設備などの管工事
造園施工管理 公園・緑地・植栽などの造園工事
建設機械施工管理 建設機械を用いて行う施工
電気通信工事施工管理 有線・無線の電気通信設備に関する工事

種目は工事の内容で分かれており、勤務先の会社の規模や役職で分かれているわけではありません。
自分が担当している工事がどの種目に当たるかで、取るべきものが決まります。

種目が違えば試験の内容も分かれている

種目ごとに出題される内容は異なり、試験を実施する機関も分かれています。
申込の時期や方法もそれぞれの機関が案内しているため、受検を考える段階で自分の種目の実施機関を確認する必要があります。

複数の種目を持つことは可能ですが、一つずつ受検して合格する形になります。
まず自分の工種に対応する種目を優先し、必要があれば後から広げるという順序が現実的です。

種目が決まらないときは工事の実態から見る

会社の名称や部署名だけでは、どの種目にあたるかが決まらないことがあります。
設備工事を扱う会社でも、担当している工事が空調や給排水であれば管工事、受変電や配線であれば電気工事という形で分かれるためです。

判断に迷う場合は、自分が関わった工事の契約書や施工計画書に書かれた工事名を見ます。
どの工事として発注されているかが、対応する種目にそのまま結びつきます。
複数の工種にまたがって働いている場合は、時間を多く使っている側から取るという決め方ができます。

1級と2級で位置づけが変わる

現場に置く技術者としての扱いが違う

建設工事の現場には、法令で定められた技術者を配置する必要があります。
この技術者には主任技術者と監理技術者があり、どちらを置くかは元請かどうか、工事の規模がどの程度かによって決まります。

一般に、1級の施工管理技士は監理技術者になれる資格として、2級は主任技術者になれる資格として位置づけられています。
この違いが、1級と2級で任される工事の規模が変わる理由です。
加えて、建設業の許可を受けた営業所に置く専任技術者の要件としても用いられます。

具体的な金額の基準はここでは示さない

監理技術者を置く必要が生じる下請契約の金額や、技術者を専任で配置する必要が生じる請負代金の金額は、法令で定められています。
これらの金額は改正されることがあり、過去にも見直されています。

そのため、この記事では具体的な金額を書きません。
古い数値を前提に判断すると、いまの制度とずれます。
金額の基準を確認する必要がある場合は、国土交通省が公表している資料を直接見るのが確実です。

2級には種別が分かれるものがある

2級には、同じ種目の中でさらに種別が設けられているものがあります。
2級建築施工管理技士は建築・躯体・仕上げに、2級土木施工管理技士は土木・鋼構造物塗装・薬液注入に分かれています。

種別によって扱える工事の範囲が変わるため、2級を受検する場合は種目だけでなく種別まで選ぶことになります。
建設機械施工管理も、扱う機械の種類ごとに区分が設けられています。
1級では、こうした種別の区分が置かれていない種目があります。

2級から順に進む形が取られることが多い

実務では、まず2級に合格し、その後に1級を目指すという順序で進む人が多くいます。
2級のほうが早い段階で受検の要件を満たしやすいためです。

ただし、1級を先に受検できるかどうかは、学歴と実務経験の組み合わせによって変わります。
2級を経由しなければ1級に進めない仕組みではないという点は押さえておく価値があります。
どの順序が自分に当てはまるかは、受検しようとする年度の要件で判断します。

検定は2段階で行われる

第一次検定と第二次検定

技術検定は、第一次検定と第二次検定の2段階で行われます。
第一次検定は主に知識を問う形、第二次検定は施工管理の実務に関する能力を問う形になっています。

両方に合格すると施工管理技士の称号が得られます。
第一次検定だけに合格した段階では、施工管理技士にはなりません。

第一次検定の合格者には技士補の称号がある

第一次検定に合格した人には、技士補という称号が与えられます。
1級の技士補については、一定の要件のもとで監理技術者を補佐する立場として現場に配置できる仕組みが設けられています。

第一次検定に合格しておくと、第二次検定に向けた段階が一つ進んだ状態になります。
求人票の応募条件に技士補の記載がある場合もあるため、合格した段階でその事実を書類に書いておく意味があります。

受検の要件は見直されている

技術検定の受検要件は、実務経験の年数や学歴によって定められてきましたが、近年になって見直しが行われています。
第一次検定と第二次検定で要件が別に定められている点も含め、内容は年度によって変わることがあります。

したがって、自分が受検できるかどうかは、受検しようとする年度の要件を試験の実施機関の公表資料で確認する必要があります。
数年前の解説記事を根拠に判断しないほうが安全です。

求人票では資格が3通りの扱われ方をする

必須・歓迎・不問で意味が変わる

同じ資格名が書かれていても、応募条件のどこに置かれているかで意味が違います。
必須要件に入っていれば、その資格が無い状態では選考に進みません。
歓迎要件であれば、無くても応募でき、あれば評価の材料になります。

備考欄に「入社後の取得を支援」と書かれている場合、資格が無いことを前提とした募集ということになります。
資格名が出てくる位置まで含めて読むと、いま応募できる求人がどれかがはっきりします。

資格手当や取得支援を設けている企業がある

資格の保有者に手当を支給する制度や、受検にかかる費用や講習の受講を会社が負担する制度を設けている企業があります。
制度の有無と内容は企業ごとに違うため、求人票の待遇欄と福利厚生欄で確認します。

書かれていない場合は、面接や条件面の面談で聞く項目として残しておきます。
取得を予定している段階であれば、その予定を伝えたうえで支援の対象になるかを確認できます。

技士補や第一次検定の合格も書ける

資格の欄に書けるのは、施工管理技士の称号だけではありません。
第一次検定に合格していれば技士補となるため、その事実を書類に記載できます。
受検の申込を済ませている段階であれば、受検予定として書くこともできます。

空欄のままにするより、いまどの段階にいるのかが伝わる形にしておくほうが読み手には分かりやすくなります。
書類に何をどう書き分けるかは履歴書と職務経歴書の違いとは?にまとめています。

自分に必要な種目と級を決める

求人票の応募条件から逆算する

どの資格を取るかは、資格の一覧を眺めるより、応募したい求人の条件を見るほうが早く決まります。
求人票の応募条件には、必要な種目と級が書かれていることが多く、必須か歓迎かの区別も示されています。

同じ会社でも募集ごとに条件が違うことがあります。
会社単位ではなく募集単位で読むと、必要な資格が具体的に見えてきます。
資格が無い段階での進め方は施工管理技士の資格は転職で有利?にまとめています。

読んだ求人は、種目と級、必須か歓迎か、工事の種類の3つを控えて並べます。
10件ほどたまると、自分が応募したい範囲でどの資格が繰り返し出てくるかが見えます。
一覧から選ぶのではなく、求人の側から浮かび上がらせるという順序です。

求人を数えてから取得の順序を決める

登録型のサービスであれば、会員登録の時点で求人一覧を見られるため、自分の工種で資格を必須としている求人がどれだけあるかを自分で数えられます。
当サイトのデータでは、建設JOBs、建設キャリアプラス、ビズケン、コンストワークの4件が登録型です。

必須の求人が多ければ取得を先に進める、資格不問の求人が十分あるなら働きながら取る、という判断ができます。
使い方は施工管理は面談なしで転職サービスを使える?で扱っています。
現場経験から施工管理へ移る場合の進め方は職人から施工管理への転身は可能かにまとめています。

働きながら受検する場合の段取り

技術検定は年度ごとに日程が決まっており、申込の受付期間も限られています。
期間を過ぎると次の機会まで待つことになるため、受検を決めた段階で申込の時期を先に押さえます。

第一次検定と第二次検定で実施の時期が分かれている種目もあります。
自分の種目について、申込の受付、試験日、合格発表がいつになるかを実施機関の案内で確認し、勤務の予定と重ねておきます。
転職と受検を並行して進める場合の時間の作り方は在職中の転職活動はどう進める?が参考になります。

まとめ

  • 施工管理技士は建設業法に基づく技術検定の合格者に与えられる国家資格の称号
  • 種目は工事の内容で分かれており、7つの種目それぞれに1級と2級がある
  • 1級は監理技術者、2級は主任技術者として現場に置く技術者の要件に用いられる
  • 配置の基準となる金額や受検の要件は改正されるため、一次情報で確認する
  • 求人票では同じ資格名でも、必須・歓迎・不問のどこに置かれているかで意味が変わる
  • 取る資格は、応募したい求人の応募条件から逆算して決めるほうが早い