大学院生や理系学生の就活は、研究と並行して進めることになります。
使える時間が限られるうえ、研究内容をどう伝えるかという固有の問題もあります。
ここでは、公表されているデータで確認できる状況と、専攻を軸にした進め方を整理します。

理系・大学院生の就活で確認できる数字

内定率は文系より高い

2027年卒(2026年5月1日時点)の内定率は全体で67.0%、内訳は文系65.7%・理系69.6%でした(出典: 就職みらい研究所)。
理系の方が3.9ポイント高い結果です。

差はありますが、理系でも3割は同時点で内定を得ていないことになります。
理系だから決まりやすいと考えて準備を後回しにすると、この3割に入ったときに動き出しが遅れます。
この数字は特定の時点のもので、測定時点が変われば数値も変わる点にも注意が必要です。

企業規模による差は理系だけの話ではない

2026年卒の大卒求人倍率は平均1.66倍、従業員300人未満の企業では8.98倍でした(出典: リクルートワークス研究所)。
これは大卒全体の数字であり、理系だけを取り出したものではありません。

ただし、企業規模によって競争の状況が大きく違うという構造は、専攻にかかわらず共通します。
専攻に近い技術を扱う企業が、必ずしも規模の大きい企業とは限りません。
研究分野に近い企業を探すと、名前を知らない企業が候補に入ってくることは珍しくありません。

研究内容を伝える場所があるか

総合型のフォーマットでは書ききれないことがある

対象を絞らない総合型の就活サイトでは、プロフィール欄が学部・学科と自己PRを中心に設計されていることがあります。
研究テーマ、使っている手法、扱っている装置やソフトウェアといった情報を書き込む欄がないと、専門性が伝わる形になりません。

自由記述欄にまとめて書く方法もありますが、読む側がどこを見ればよいか分かりにくくなります。
専攻を軸に評価してほしいなら、それを書く場所が用意されているかを登録前に確認します。
フォーマットが合わないサービスに時間をかけても、伝わる情報量は増えません。

理系専攻を対象としたサービスがある

当サイトのデータでは、アカリクが26卒・27卒の理系専攻の大学生または大学院生を対象としたサービスとして掲載されています。
区分は登録型で、会員登録の時点から使い始められます。
対応地域は全国です。

対象が絞られているということは、集まっている企業の側も専攻や研究内容を前提にしているということになります。
総合型と比べて母数は小さくなりますが、研究の話が通じる相手に絞られるという違いがあります。
運営会社を含めた見方は大手が運営する新卒就活サービスで扱っています。

登録型とイベント型を分けて考える

登録型は研究の時間を削りにくい

登録型は、プロフィールを作った後は企業側からの連絡を待つ形になります。
自分の時間で進められるため、実験や解析の予定が読みにくい時期でも並行しやすい形式です。
当サイトのデータでは、OfferBoxも登録型で全国対応、2027年・2028年卒業予定の学生(大学生・大学院生・専門学校生と、卒業後1年以内の既卒学生)を対象としています。

専攻特化型と総合型を両方使うと、届くオファーの傾向の違いが見えます。
片方だけに登録していると、そのサービスが持っている企業群が市場全体の姿だと錯覚しやすくなります。
ただし数を増やすほどプロフィールの更新が追いつかなくなるため、まず埋めきってから追加を検討します。

イベント型は日程を合わせる必要がある

アカリクイベントは登録型として掲載されており、対応地域は全国、対象は26卒・27卒です。
名称のとおりイベントを扱うサービスであるため、参加できる日程かどうかを確認したうえで使うことになります。

面談を伴う形式のサービスもあります。
当サイトのデータでは、エノサポ就活とMeets Companyが面談実施型で全国対応、UZUZ 新卒も面談実施型で27年卒の在学中の学生が対象です。
いずれも時間の確保が必要になるため、研究の予定が立てにくい時期に集中して入れないよう配慮します。

研究と就活の時間配分

動ける時期を先に決める

研究の進み方は、実験の周期や指導教員との予定に左右されます。
就活の予定を先に埋めてから研究を合わせるのは現実的ではないため、逆に研究の予定を基準にして、動ける週を先に確保する形になります。

活動期間の一般的な目安は3〜6ヶ月とされています(出典: マイナビ転職)。
この幅を前提に、いつまでに決めたいかから逆算します。
時期の考え方は就活・転職はいつ動けばよいかにまとめています。

対象の卒業年次を先に確認する

理系向け・総合型を問わず、新卒就活のサービスは対象の卒業年次が定められているものが多くあります。
アカリクとアカリクイベントは26卒・27卒、OfferBoxは2027年・2028年卒業予定、就活会議は2026年卒から2029年卒までが対象です。
ビズリーチ・キャンパスは2027年卒業予定の学生が対象で、大学発行のメールアドレスによる在学認証が必要とされています。
対応地域も全国ではなく、北海道・東京・大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山に限られています。

登録しようとして進まない原因が、対象条件だったというケースは珍しくありません。
修士課程と博士課程では修了年次が異なるため、自分の年次がどの表記に当たるかを確認してから登録します。

専攻と違う分野に進む場合

専攻特化型の強みが効かない場面

研究分野とは関係のない業界を志望する場合、専攻を前提としたサービスの強みは活きにくくなります。
この場合は総合型の登録型サービスや、企業と直接会う申込型の方が候補を広げやすくなります。
みん就は申込型で合同企業説明会を扱っており、対応地域は全国です。

分野を変えること自体は、統計の上で不利になるとは言えません。
むしろ、なぜその分野を選んだのかを説明できるかどうかが問われます。
研究で身につけた進め方のうち、志望先でも使える部分を具体的に言えるかが分かれ目になります。

研究内容を専門外の人に伝える

選考に関わる人が、必ずしも同じ分野の専門家とは限りません。
研究テーマをそのまま書くと、何をしているのか伝わらないことがあります。
何のための研究か、どこが難しかったか、どう解決したかという順で書き直すと、分野が違う読み手にも届きます。

エントリーシートに関わるサービスとして、当サイトのデータでは赤ペンESとSmartESが登録型・全国対応で掲載されています。
書類の部分だけを切り出して使えるため、研究と並行して進めやすい形式です。
具体的な機能や利用条件は各サービスのサイトで確認してください。

まとめ

  • 2027年卒の内定率は理系69.6%・文系65.7%。
    理系の方が高いが、同時点で3割は内定を得ていない
  • 研究内容を書き込む場所があるフォーマットかを登録前に確認する。
    書けなければ専門性は伝わらない
  • 理系専攻の学生・大学院生を対象としたサービスがあり、対象の卒業年次が定められている
  • 専攻と違う分野に進む場合は、研究の進め方のうち志望先で使える部分を説明できるかが分かれ目になる